独自まとめ・制度解説

【2027年度】埼玉県公立高校入試はここが変わる——共通選抜・特色選抜・全員面接・自己評価資料の完全まとめ

更新日:|出典:埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜実施内容(確定版)」(2026年6月11日掲載)を当サイトが全校分読み込んで整理

2027年(令和9年)春に入試を迎える現中学3年生は、埼玉県公立高校入試の制度が大きく変わってから最初の学年です。塾のブログにも、先輩の体験談にも、去年までの情報しかありません。このページでは、県教育委員会が公表した確定資料を全校分読み込んだ上で、「何が変わったのか」「自分の志望校では何が起きるのか」を整理しました。

2027年度入試の5つの変更点(要点)
  • 1選抜が「共通選抜」と「特色選抜」の2種類に。学校ごとにどちらを使うかが違う
  • 2全受検生が面接を受ける。自己評価資料を提出し、個人面接または集団面接
  • 3調査書が簡素化。学年比率は学校ごとに異なる(1:1:2〜2:2:5)
  • 4学校選択問題は23校で実施(数学・英語)
  • 5マークシート方式の導入

変更点① 共通選抜と特色選抜——学校ごとに「物差し」が違う

これまでの埼玉県公立入試は、全校が同じ枠組み(第1次・第2次・第3次選抜)で行われ、学校ごとの違いは「学力検査と調査書の比率」や「傾斜配点」といった数値の調整が中心でした。2027年度からは、選抜そのものに2つの種類ができます。

種類内容
共通選抜県が定める方法で行う選抜
特色選抜各校が学科・コースの特色に応じて定める選抜

そして学校は、この2つを3通りの組み合わせで使います。

パターン該当校の例
特色選抜のみ浦和、浦和第一女子、川越、川越女子、川越南、春日部、熊谷、所沢、不動岡、大宮(理数科)など
共通選抜のみ大宮(普通科)、市立浦和、浦和西、川口北、越ケ谷、越谷北、所沢北(普通科)、蕨、市立大宮北など
特色選抜と共通選抜の両方熊谷女子、市立浦和南、浦和東、大宮南、北本、坂戸西、飯能、岩槻(国際教養)、三郷工業技術

出典:県教委確定版の概要一覧3種を当サイトが整理 ◎。全校の分類は公立高校の選抜方式一覧をご覧ください。

ここが重要:同じ学校でも学科によって方式が違うことがあります。たとえば大宮高校は普通科が共通選抜、理数科が特色選抜。熊谷西・所沢北・和光国際も同様に、普通科と専門学科で方式が分かれます。「◯◯高校の入試」ではなく「◯◯高校の△△科の入試」で調べる必要があります。

「両方実施」の学校は、同じ入試に2つの評価軸がある

特に注意したいのが、特色選抜と共通選抜の両方を実施する学校です。たとえば熊谷女子は、募集の80%を特色選抜(国数英を各150点に傾斜、調査書135点)、20%を共通選抜(傾斜なし、調査書200点)で採ります。前者は3教科型・当日型、後者は5教科バランス型・内申型——同じ学校の同じ学科なのに、2つの異なるタイプの受験生を採る設計です。

変更点② 全員に面接と自己評価資料

2027年度からは、すべての受検生が「自己評価資料」を提出し、面接を受けます。

項目内容
自己評価資料受検生本人が記入して提出。資料そのものは採点されず、面接の参考資料として使われる
面接の形式学校ごとに個人面接または集団面接
面接の配点多くの学校は30点。60点・100点を配点する学校もある
学校独自項目自己評価資料に、学校が独自の記入項目を設定できる(設定しない学校も多い)
面接の配点は学校差が大きい:多くは30点ですが、市立浦和南の特色選抜は100点(学力検査1教科分に相当)。浦和西と熊谷は第2次選抜で60点に上がります。「面接は形式的」と考えると、こうした学校では差がつきます。

学校独自項目は「何を書かせるか」で学校の色が出る

自己評価資料の学校独自項目は、設定していない学校も多い一方、設定している学校ではその学校が何を重視しているかが明確に読み取れます。実例をいくつか挙げます。

学校独自項目(要約)
浦和「時代の求めるリーダー」とは何か、入学後に何に取り組みたいか
浦和第一女子高い志を持ち続け、粘り強く努力し続けた経験
川越女子「自立した人間」とはどのような人か、そうなるために入学後何をしたいか
不動岡6つのキーワードから1つ選び、体験と今後の挑戦を交えて書く
川口北「文武両道」について、他のアドミッションポリシーも踏まえて書く
浦和西自ら考え行動し、適切な支援も活用しながらやり抜いた経験
熊谷学校内外の活動での目標設定・取り組み・挑戦
市立浦和南中学3年間で頑張ったこと・その過程・高校での活かし方
大宮(理数科のみ)理科・数学に関心を持ち主体的に取り組んだ体験

出典:県教委確定版の各校資料を当サイトが要約 ◎。全文は各校のPDFでご確認ください。学校別ページに原文へのリンクを掲載しています。

準備の考え方:独自項目がある学校では、その項目と面接の「評価の観点」がほぼ一致しています。たとえば浦和西は独自項目も評価規準も「やり抜く力」。つまり独自項目に書いたことが、そのまま面接で掘り下げられると考えて準備してください。→ 面接・作文の対策

変更点③ 調査書の簡素化と、学校ごとの学年比率

調査書の記載項目は「9教科5段階の評定」と「総合的な学習の時間の記録」に整理されました。部活動や委員会活動などの記載は、自己評価資料と面接で扱う形になります。

そして重要なのが学年比率。1年・2年・3年の評定をどの比率で換算するかが、学校ごとに定められています。

学年比率意味該当校の例
1:1:2最も一般的。中3が中1の2倍浦和、浦和第一女子、大宮、市立浦和、川越、川越女子、熊谷女子、熊谷西、蕨、川口市立、市立浦和南
1:1:3中3が3倍川越南、越ケ谷、所沢北、和光国際、市立大宮北
1:2:3中2から効きはじめる不動岡
1:2:4中3が中1の4倍春日部
2:2:3中1・中2の比重が比較的高い所沢(第1次)
2:2:5中3が中1の2.5倍。県内で最も3年次重視の部類熊谷

出典:県教委確定版 ◎。上記は当サイトが確認した学校の例で、全校網羅ではありません。

今から挽回できるか、は学校によって違う:中1・中2の内申が思わしくない受験生にとって、熊谷(2:2:5)や春日部(1:2:4)は挽回の余地が大きい学校です。中3の評定が中1の2.5倍・4倍で換算されるため、2学期の定期テストがそのまま調査書点を押し上げます。逆に所沢の第1次(2:2:3)は中1・中2の比重が相対的に高く、今からの挽回幅は小さめ。志望校の学年比率を知ることは、9月以降の時間配分を決める材料になります。→ 調査書の仕組み/定期テストと北辰の両立

変更点④ 学校選択問題は23校

数学・英語で応用的な内容を含む「学校選択問題」を実施するのは次の23校です。

浦和/浦和第一女子/浦和西/大宮/春日部/川口北/川越/川越女子/川越南/熊谷/熊谷女子/熊谷西/越ケ谷/越谷北/所沢/所沢北/不動岡/和光国際/蕨/市立浦和/市立浦和南/市立大宮北/川口市立

出典:県教委「学校選択問題実施校」◎

誤解しやすい点——「学校選択問題=傾斜配点」ではありません:23校のうち、数学・英語に傾斜配点があるのは一部です。浦和西・川口北・越ケ谷・熊谷・市立浦和・市立大宮北・越谷北・蕨などは、学校選択問題を実施しながら傾斜なし——難しい問題を解いても、配点は理科や社会と同じ100点です。この場合、数英に時間を集中させるより5教科をまんべんなく仕上げる方が有利になります。詳しくは→ 傾斜配点のある公立高校一覧

変更点⑤ マークシート方式

学力検査にマークシート方式が導入されます。北辰テストも2026年度から選択問題がマークシート化されており、これは公立入試の変更を先取りした対応です。北辰でマークシートに慣れておくことが、そのまま本番の練習になります。→ マークシート化まとめ

結局、今から何をすればいいか

  1. 志望校の「選抜の種類」を確認する——特色か共通か両方か。学科が複数ある学校は学科ごとに違う
  2. 配点を見て、自分が当日型か内申型かを考える——学力検査:調査書の比率は学校で大きく違う
  3. 傾斜配点の有無を確認する——傾斜がなければ5教科均等、あればその教科に時間を寄せる
  4. 学年比率を確認する——中3の比重が高い学校なら、2学期の定期テストの価値が上がる
  5. 独自項目があるか確認する——あれば、その内容に沿った経験を今から言語化しておく

この5点は、すべて県教委の公開資料に書かれています。当サイトでは学校選択問題実施校23校について、この5点を整理した学校別ページを公開しています。→ 公立高校の選抜方式一覧

よくある質問

2027年度の変更点は?

共通選抜/特色選抜の2方式、全員面接と自己評価資料、調査書の簡素化と学校別の学年比率、学校選択問題23校、マークシート方式の5点です。

面接は全員受けますか?

はい。全受検生が自己評価資料を提出し、個人面接または集団面接を受けます。

自己評価資料は採点されますか?

資料そのものは採点されず、面接の参考資料として使われます。ただし内容が面接で問われるため、準備の価値は高いです。

学年比率は何のためにありますか?

1年・2年・3年の評定の重みを学校ごとに変えるためのものです。中3重視の学校ほど、今からの内申が効きます。

学校選択問題を実施すれば傾斜配点もありますか?

いいえ。23校のうち傾斜配点がない学校も多くあります。→ 傾斜配点一覧

本ページは埼玉県教育委員会公表の「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜実施内容(確定版)」をもとに当サイトが整理した非公式のまとめです。転記・要約の誤りがある可能性があるため、出願判断の際は必ず県教委の原本および各校の説明会でご確認ください。制度は今後変更される可能性があります。「北辰テスト」は北辰図書株式会社の商標です。当サイトは北辰図書株式会社および埼玉県教育委員会とは関係のない学習支援サイトです。