標本調査の予想問題5問——推定のしかたのミスを1問ずつ解説
標本調査は中3で習う単元で、数学では全数調査との使い分けや、標本の結果から母集団の数を推定する問題が出ます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。計算は割合や比例式が中心ですが、母集団と標本の取りちがえや、何の数を答えるのかの読みちがいでミスが起きやすい単元です。全数調査と標本調査・母集団と標本・不良品の推定・池の魚・袋の玉の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。
- 全部を調べるのが全数調査、一部から全体を推定するのが標本調査
- 調べたい集団全体が母集団、取り出した一部が標本
- 無作為に取り出した標本の割合は、母集団の割合とほぼ同じと考える
- 比例式は「同じ種類の数」を左右でそろえる
- 推定した数には「およそ」をつけ、何の数を答えるか読み直す
問題(まず自分で解いてみよう)
- 次のア〜エの調査のうち、標本調査で行うのが適切なものをすべて選びなさい。
ア 学校で行う健康診断
イ テレビ番組の視聴率調査
ウ 工場でつくった缶詰の品質検査
エ 国勢調査 - ある中学校の全校生徒480人の中から、60人を無作為に選んでアンケートを行いました。この調査の母集団の大きさと標本の大きさをそれぞれ答えなさい。
- ある工場で作った製品1200個の中から、50個を無作為に取り出して調べたところ、不良品が2個ありました。この工場で作った製品1200個の中には、不良品がおよそ何個ふくまれていると考えられますか。
- 池にいる魚の数を調べるため、80匹をつかまえて印をつけ、池にもどしました。数日後に100匹をつかまえたところ、印のついた魚が16匹いました。池の魚はおよそ何匹と考えられますか。
- 白玉だけがたくさん入っている袋に、黒玉を50個入れてよくかき混ぜました。そこから40個の玉を無作為に取り出したところ、黒玉が4個ふくまれていました。袋の中の白玉はおよそ何個と考えられますか。
目安:1問3〜4分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
次のア〜エの調査のうち、標本調査で行うのが適切なものをすべて選びなさい。
ア 学校で行う健康診断
イ テレビ番組の視聴率調査
ウ 工場でつくった缶詰の品質検査
エ 国勢調査
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答え:イとウ
考え方:集団のすべてを調べるのが全数調査、一部を取り出して全体を推定するのが標本調査です。全部を調べると時間や費用がかかりすぎるとき、または調べると製品がこわれて売れなくなるときは標本調査を使います。
解き方:ア:一人ひとりの健康状態を知る必要があるので全数調査。イ:すべての家庭を調べるのは現実的でないので標本調査。ウ:缶詰を開けて調べると売れなくなるので標本調査。エ:国勢調査は全数調査。答えは イとウ。
よくあるミス:① 国勢調査を「国全体で大がかりだから標本調査」と思いこむミス。国勢調査は全数調査の代表例です。② 健康診断を標本調査にしてしまうミス。一人ひとりの結果が必要かで考えます。
確かめ:イとウはどちらも「全部を調べるのは時間・費用がかかる、または製品がだめになる」という理由があり、アとエは「全員について知る必要がある」調査です。理由がそろっているので答えと合います。
問題2
ある中学校の全校生徒480人の中から、60人を無作為に選んでアンケートを行いました。この調査の母集団の大きさと標本の大きさをそれぞれ答えなさい。
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答え:母集団の大きさは480、標本の大きさは60
考え方:調べたい集団全体が母集団、実際に取り出して調べた一部が標本です。それぞれにふくまれるものの数を「大きさ」といいます。
解き方:調べたいのは全校生徒なので、母集団の大きさは 480。実際にアンケートをした60人が標本なので、標本の大きさは 60。
よくあるミス:① 母集団と標本を逆にしてしまうミス。「全体」が母集団、「取り出した一部」が標本です。② 480 から 60 を引いた 420 を答えるミス。選ばれなかった人数は問われていません。
確かめ:標本は母集団の一部なので、標本の大きさは母集団の大きさより小さくなります。60 は 480 より小さく、関係が合っています。
問題3
ある工場で作った製品1200個の中から、50個を無作為に取り出して調べたところ、不良品が2個ありました。この工場で作った製品1200個の中には、不良品がおよそ何個ふくまれていると考えられますか。
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答え:およそ48個
考え方:無作為に取り出した標本では、不良品の割合が母集団とほぼ同じになると考えます。標本での割合を全体にあてはめます。
解き方:標本での不良品の割合は 2/50 = 1/25。全体の 1200 の 1/25 を求めると 1200 ÷ 25 = 48。不良品は およそ48個。
よくあるミス:① 標本の 2 をそのまま答えてしまうミス。聞かれているのは全体(1200個)の中の数です。② 割合を 50/2 と逆にしてしまい、とても大きな数を答えるミス。割合は(不良品)÷(取り出した数)です。③ 答えに「およそ」をつけ忘れるミス。標本調査の結果は推定です。
確かめ:標本では 50個のうち 2個、全体では 1200個のうち 48個で、どちらも 25個に1個の割合になっています。
問題4
池にいる魚の数を調べるため、80匹をつかまえて印をつけ、池にもどしました。数日後に100匹をつかまえたところ、印のついた魚が16匹いました。池の魚はおよそ何匹と考えられますか。
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答え:およそ500匹
考え方:2回目につかまえた魚の中の「印つきの割合」は、池全体の「印つきの割合」とほぼ同じと考えます。池全体の魚を x 匹とすると、16 : 100 = 80 : x という比例式がつくれます。
解き方:16 : 100 = 80 : x → 16x = 8000 → x = 500。池の魚は およそ500匹。
よくあるミス:① 比例式を 16 : 100 = x : 80 のように逆に置いて、x = 12.8 のような、つかまえた数より少ない答えを出してしまうミス。「印つき : つかまえた数」を左右でそろえるのがコツです。② 80 と 100 をたした 180匹と答えるミス。同じ魚を2回つかまえている可能性があるので、たしても全体にはなりません。
確かめ:池全体で 500匹のうち印つきは 80匹で、割合は 80/500 = 4/25。2回目は 100匹のうち 16匹で、16/100 = 4/25。割合が同じになっています。
問題5
白玉だけがたくさん入っている袋に、黒玉を50個入れてよくかき混ぜました。そこから40個の玉を無作為に取り出したところ、黒玉が4個ふくまれていました。袋の中の白玉はおよそ何個と考えられますか。
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答え:およそ450個
考え方:取り出した40個の中の黒玉の割合が、袋全体の黒玉の割合とほぼ同じと考えます。まず袋全体の玉の数を推定し、そこから黒玉の数を引いて白玉を求めます。
解き方:標本での黒玉の割合は 4/40 = 1/10。袋全体の玉の数を y 個とすると、黒玉50個が全体の 1/10 なので y = 500。白玉は 500 から黒玉の 50 を引いて、およそ450個。
よくあるミス:① 全体の 500 をそのまま白玉の数として答えてしまうミス。全体には、あとから入れた黒玉50個がふくまれています。② 取り出した中の白玉36個をもとに 36/40 の割合を使い、計算をまちがえるミス。数がわかっている黒玉の割合を使うと簡単です。
確かめ:袋全体で 500個のうち黒玉が 50個なら、黒玉の割合は 1/10。取り出した 40個のうち黒玉が 4個なのも 1/10 で、割合が合っています。
標本調査の用語と推定のしかたの表
| 用語・場面 | 意味・考え方 | 気をつけること | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 全数調査と標本調査 | 全部を調べるか、一部から推定するか | 一人ひとりの結果が必要なら全数調査 | 問題1 |
| 母集団・標本 | 調べたい全体と、取り出した一部 | 逆にしない | 問題2 |
| 割合から全体の数を推定 | 標本の割合 = 母集団の割合 | 標本の数をそのまま答えない | 問題3 |
| 印をつけて数を推定 | 印つきの割合を比例式にする | 2回の数をたさない | 問題4 |
| あとから加えたものがある | 全体を推定してから引く | 加えた数を引き忘れない | 問題5 |
迷ったときの手順
- 母集団(全体)と標本(取り出した一部)をはっきりさせる
- 標本の中で、数がわかっているものの割合を求める
- その割合が全体でも同じと考えて、比例式や割り算で全体を推定する
- 問われている数(白玉だけ、不良品だけなど)になっているか確かめ、「およそ」をつける
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- 5教科の予想問題(PDF) → 北辰テスト 予想問題
- 数学全体の勉強法 → 北辰テスト数学の勉強法
よくある質問
全数調査と標本調査はどう使い分けますか?
一人ひとりの結果が必要なとき(健康診断など)は全数調査、全部を調べると時間や費用がかかりすぎるときや、調べると製品が使えなくなるとき(品質検査など)は標本調査を使います。
母集団と標本のちがいは何ですか?
母集団は調べたい集団全体、標本はその中から実際に取り出して調べた一部です。それぞれにふくまれるものの数を、母集団の大きさ・標本の大きさといいます。
標本調査の答えに「およそ」をつけるのはなぜですか?
標本の結果から全体を推定しているので、実際の数とぴったり同じとはかぎらないからです。推定した値であることがわかるように「およそ」をつけます。
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