箱ひげ図・四分位範囲の予想問題5問——データの分け方のミスを1問ずつ解説
箱ひげ図と四分位範囲は中2で習う単元で、数学ではデータから四分位数を求める問題や、箱ひげ図を読み取って比べる問題が出ます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。計算はたし算・ひき算が中心ですが、データの分け方や、範囲と四分位範囲の取りちがえでミスが起きやすい単元です。四分位数の求め方・範囲と四分位範囲・箱ひげ図の読み取り・2つの組の比較・極端な値の影響の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。
- データを小さい順に並べ、中央値で前半と後半に分ける
- 奇数個のときは、中央値をどちらの半分にも入れない
- 範囲 = 最大値 − 最小値、四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数
- 箱ひげ図の箱の中の線は中央値(平均値ではない)
- 四分位範囲は、極端な値の影響を受けにくい
問題(まず自分で解いてみよう)
- 次のデータは、9人の生徒が1週間に読んだ本のページ数を、小さい順に並べたものです(単位は10ページ)。
3、5、6、8、9、11、12、14、17
第1四分位数、第2四分位数(中央値)、第3四分位数をそれぞれ求めなさい。 - 次の10個のデータについて、範囲と四分位範囲をそれぞれ求めなさい。
2、4、4、7、8、10、11、13、15、16 - あるデータの箱ひげ図を読み取ったところ、最小値は20、第1四分位数は35、中央値は45、第3四分位数は60、最大値は80でした。このデータの範囲と四分位範囲をそれぞれ求めなさい。
- A組とB組の数学のテストの得点を箱ひげ図に表しました。A組は最小値30、第1四分位数45、中央値55、第3四分位数70、最大値90、B組は最小値35、第1四分位数50、中央値60、第3四分位数65、最大値85でした。次のア〜ウのうち、正しいものをすべて選びなさい。
ア 範囲はA組のほうが大きい。
イ 四分位範囲はB組のほうが大きい。
ウ 中央値はB組のほうが大きい。 - 問題1の9個のデータのうち、最大値の17が30に変わったとします。このとき、範囲と四分位範囲はそれぞれどうなりますか。変わる場合は変わったあとの値を答えなさい。
目安:1問3〜4分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
次のデータは、9人の生徒が1週間に読んだ本のページ数を、小さい順に並べたものです(単位は10ページ)。
3、5、6、8、9、11、12、14、17
第1四分位数、第2四分位数(中央値)、第3四分位数をそれぞれ求めなさい。
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答え:第1四分位数は5.5、第2四分位数は9、第3四分位数は13
考え方:まず全体の中央値(第2四分位数)を求め、データを前半と後半に分けます。データが奇数個のときは、中央値そのものはどちらの半分にも入れません。前半の中央値が第1四分位数、後半の中央値が第3四分位数です。
解き方:9個の真ん中は5番目の 9 なので、第2四分位数は 9。前半は 3、5、6、8 で、真ん中の2つ(5 と 6)の平均をとって第1四分位数は 5.5。後半は 11、12、14、17 で、12 と 14 の平均をとって第3四分位数は 13。
よくあるミス:① 中央値の 9 を前半や後半にも入れて、5個ずつに分けてしまうミス(第1四分位数が 6 になってしまいます)。② 前半が偶数個なのに、真ん中の2つの平均をとらずどちらか一方を答えるミス。
確かめ:9 より小さい値が4つ、大きい値が4つで、9 はちょうど真ん中です。前半4つ・後半4つのそれぞれ真ん中が 5.5 と 13 になっています。
問題2
次の10個のデータについて、範囲と四分位範囲をそれぞれ求めなさい。
2、4、4、7、8、10、11、13、15、16
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答え:範囲は14、四分位範囲は9
考え方:範囲 = 最大値 − 最小値、四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数です。データが偶数個のときは、ちょうど半分ずつ(5個と5個)に分けます。
解き方:範囲は 16 − 2 = 14。前半 2、4、4、7、8 の真ん中は 4 なので第1四分位数は 4。後半 10、11、13、15、16 の真ん中は 13 なので第3四分位数は 13。四分位範囲は 13 − 4 = 9。
よくあるミス:① 範囲と四分位範囲を取りちがえるミス。「範囲」は全体の広がり、「四分位範囲」は真ん中に集まった約半分のデータの広がりです。② 同じ値(4 が2つ)を1つにまとめて数えてしまうミス。同じ値もそれぞれ1個として数えます。
確かめ:中央値は 8 と 10 の平均で 9。前半5個・後半5個に分けたので、それぞれの3番目が四分位数になり、4 と 13 で合っています。
問題3
あるデータの箱ひげ図を読み取ったところ、最小値は20、第1四分位数は35、中央値は45、第3四分位数は60、最大値は80でした。このデータの範囲と四分位範囲をそれぞれ求めなさい。
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答え:範囲は60、四分位範囲は25
考え方:箱ひげ図は、左から最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つの値を表しています。ひげの両はしの差が範囲、箱の長さが四分位範囲です。
解き方:範囲は 80 − 20 = 60。四分位範囲は 60 − 35 = 25。
よくあるミス:① 箱の中の線(中央値 45)を使って、45 − 35 や 60 − 45 を四分位範囲としてしまうミス。四分位範囲は箱全体の長さです。② 箱ひげ図の「箱の中の線」を平均値だと思ってしまうミス。箱の中の線は中央値です。
確かめ:箱は 35 から 60 まで、ひげは 20 から 80 までのびています。箱の長さは 25、全体の長さは 60 で、箱がひげ全体より短いことからも正しそうだとわかります。
問題4
A組とB組の数学のテストの得点を箱ひげ図に表しました。A組は最小値30、第1四分位数45、中央値55、第3四分位数70、最大値90、B組は最小値35、第1四分位数50、中央値60、第3四分位数65、最大値85でした。次のア〜ウのうち、正しいものをすべて選びなさい。
ア 範囲はA組のほうが大きい。
イ 四分位範囲はB組のほうが大きい。
ウ 中央値はB組のほうが大きい。
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答え:アとウ
考え方:それぞれの値を計算して比べます。範囲は最大値 − 最小値、四分位範囲は第3四分位数 − 第1四分位数です。
解き方:ア:A組の範囲は 90 − 30 = 60、B組は 85 − 35 = 50 なので、A組のほうが大きく正しい。イ:A組の四分位範囲は 70 − 45 = 25、B組は 65 − 50 = 15 なので、B組のほうが小さく誤り。ウ:中央値はA組が55、B組が60 なので正しい。答えは アとウ。
よくあるミス:① B組の箱が右(高い得点)にあるので、四分位範囲も大きいと思いこむミス。箱の位置ではなく、箱の長さで比べます。② 箱ひげ図だけで「平均点はB組のほうが高い」などと判断してしまうミス。箱ひげ図から平均値はわかりません。
確かめ:箱の長さはA組が25、B組が15で、B組のほうが得点が真ん中に集まっています。中央値はB組が5点高く、アとウだけが正しいことが確かめられます。
問題5
問題1の9個のデータのうち、最大値の17が30に変わったとします。このとき、範囲と四分位範囲はそれぞれどうなりますか。変わる場合は変わったあとの値を答えなさい。
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答え:範囲は27に変わり、四分位範囲は7.5のまま変わらない
考え方:最大値が変わっても、データの順番(どれが何番目か)は変わりません。四分位数は真ん中あたりの値で決まるので、はしの値だけが変わっても影響を受けません。
解き方:範囲は 30 − 3 = 27(もとは 17 − 3 = 14)。第1四分位数 5.5、第3四分位数 13 は変わらないので、四分位範囲は 13 − 5.5 = 7.5 のままです。
よくあるミス:① 1つの値が大きく変わったので、四分位範囲も変わると思いこむミス。② 範囲を 30 − 17 のように「変わった分」だけで考えてしまうミス。範囲はいつも最大値 − 最小値です。
確かめ:並べ直すと 3、5、6、8、9、11、12、14、30 で、9 が真ん中、前半と後半の真ん中も問題1と同じです。このように四分位範囲は極端に大きい値や小さい値の影響を受けにくいという性質があります。
箱ひげ図の用語と求め方の表
| 用語 | 求め方 | 箱ひげ図のどこか | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 第2四分位数(中央値) | 全体の真ん中の値 | 箱の中の線 | 問題1 |
| 第1・第3四分位数 | 前半・後半それぞれの真ん中の値 | 箱の左はし・右はし | 問題1・2 |
| 範囲 | 最大値 − 最小値 | ひげの左はしから右はしまで | 問題2・3 |
| 四分位範囲 | 第3四分位数 − 第1四分位数 | 箱の長さ | 問題2〜5 |
迷ったときの手順
- データを小さい順に並べ、個数を数える
- 中央値を求め、前半と後半に分ける(奇数個なら中央値は除く)
- 前半・後半の真ん中を求める(偶数個なら真ん中2つの平均)
- 範囲か四分位範囲か、問題が聞いているほうを引き算する
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- 5教科の予想問題(PDF) → 北辰テスト 予想問題
- 数学全体の勉強法 → 北辰テスト数学の勉強法
よくある質問
データが奇数個のとき、四分位数はどうやって求めますか?
中央値を求めたあと、中央値をのぞいた前半と後半に分け、それぞれの中央値を第1四分位数・第3四分位数とします。
範囲と四分位範囲のちがいは何ですか?
範囲は最大値と最小値の差で、データ全体の広がりを表します。四分位範囲は第3四分位数と第1四分位数の差で、真ん中に集まった約半分のデータの広がりを表します。
箱ひげ図から平均値はわかりますか?
わかりません。箱ひげ図に表されるのは最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つで、箱の中の線は中央値です。
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