中学数学が苦手な人のための よくある質問90——どこでつまずいたかを見つけて戻る
数学が苦手な生徒の多くは、今やっている単元でつまずいているのではなく、その前の内容が抜けています。「中3の二次関数が分からない」のは、中2の一次関数、あるいは中1の文字式に原因があることがほとんどです。どこまで戻ればよいかを特定するところから始めましょう。
- ①計算——正負の数・文字式・方程式・平方根
- ②基礎問題——各単元の教科書レベル
- ③頻出パターン——入試でよく出る型
- ④応用問題——余裕があれば
※④に手を出す前に①〜③を固めてください。
1. つまずきを見つける
数学が苦手です。何から始めますか?
計算からです。正負の数、文字式、方程式、平方根が確実にできるか確認してください。
どこまで戻ればよいか分かりません
中1の教科書の章末問題を解いてみてください。解けない章が出てきたら、そこが戻る地点です。
戻ると時間がかかりませんか?
基礎が抜けたまま進むほうが時間を無駄にします。中1の計算は数日で復習できます。急がば回れです。
つまずきやすい単元はどこですか?
| 学年 | つまずきやすい単元 |
|---|---|
| 中1 | 正負の数、文字式、方程式、比例・反比例 |
| 中2 | 連立方程式、一次関数、証明 |
| 中3 | 展開・因数分解、平方根、二次方程式、二次関数、相似 |
※特に中1の正負の数でつまずくと、その後すべての計算に影響します。
今の授業についていけません
授業は進みます。並行して前の単元を復習してください。授業内容は完璧を目指さず、後で戻る前提で構いません。
先生に質問しづらいです
「どこが分からないか分からない」でも構いません。「この問題が解けません」と具体的に持っていくと聞きやすくなります。
2. 計算
計算ミスが多いです
途中式を省略していませんか。式を丁寧に書くだけで大きく減ります。
ミスの原因が分かりません
種類を記録してください。符号、分数、移項、約分、代入——傾向が見えれば対策が決まります。
符号のミスが多いです
マイナスの前で必ず一度止まる習慣を。括弧を外すとき、移項するときが最も危険です。括弧を省略せず書いてください。
分数が苦手です
小学校の分数計算に戻ってください。通分・約分・帯分数の変換が確実にできるかを確認します。恥ずかしいことではありません。
正負の数が分かりません
数直線を書いてください。足し算・引き算は数直線上の移動としてイメージすると理解しやすくなります。
文字式の計算ができません
同類項をまとめるルールを確認してください。3a と 2a は足せる、3a と 2b は足せない——ここが出発点です。
平方根が分かりません
まず√の意味(2乗するとその数になる数)を確認。次に√の中を簡単にする操作を練習してください。
展開・因数分解が覚えられません
公式は4つ程度です。展開を何度もやってから因数分解に進むと、逆算として理解しやすくなります。
計算が遅いです
正確さが先、速さは後です。まず正確に解けるようになってから、時間を計る練習をしてください。
毎日計算練習をすべきですか?
1日10問でも毎日が効果的です。計算は感覚が鈍るため、間を空けないでください。
3. 方程式
方程式の解き方が分かりません
移項の意味を確認してください。「=を越えるとき符号が変わる」——理由は両辺に同じ数を足し引きしているからです。
連立方程式が解けません
加減法と代入法のどちらか1つを確実にしてください。両方を中途半端にするより、加減法だけでも解けるようにするほうが得点になります。
二次方程式が苦手です
解き方は3通り(因数分解・平方完成・解の公式)。解の公式を確実に使えるようにしておけば、多くの問題に対応できます。
解の公式が覚えられません
何度も書いて使ってください。覚えるより、使いながら定着させるほうが早道です。
検算はすべきですか?
方程式は解を元の式に代入すれば確認できます。時間があれば必ずやってください。
4. 関数
関数が全く分かりません
グラフと式の対応から。①点の座標を式に代入する ②式からグラフを描く——この2つができれば土台は完成です。
一次関数の式の求め方が分かりません
y=ax+b の a(傾き)と b(切片)を求める作業です。2点が分かれば傾きが出る——この手順を繰り返し練習してください。
グラフが描けません
x に適当な数を入れて y を求め、点を2つ取って線で結ぶだけです。難しく考えないでください。
二次関数(y=ax²)が分かりません
まず放物線の形を覚えてください。a が正なら上に開く、負なら下に開く。次に変化の割合の求め方を練習します。
交点の求め方が分かりません
2つの式を連立して解く——これだけです。交点=両方の式を満たす点だからです。
関数と図形の融合問題が解けません
入試の後半に出る難問です。基礎が固まるまでは手をつけなくて構いません。前半の配点のほうが大きいためです。
動点の問題が苦手です
「◯秒後」を具体的な数字で1つ試してください。図を描いて状況を把握することが最優先です。
5. 図形
図形が苦手です
まず角度の性質(対頂角・同位角・錯角・三角形の内角の和)を確認してください。ここが土台です。
証明が書けません
合同条件・相似条件を暗記してから、模範解答の型を真似て書いてください。ゼロから作るのではなく型に当てはめる作業です。
証明の型を教えてください
①仮定を書く ②必要な条件を3つ揃える ③「よって合同(相似)」④結論。この流れは毎回同じです。
合同条件が覚えられません
三角形の合同条件は3つ(三辺・二辺と間の角・一辺と両端の角)。図を描きながら覚えてください。
相似が分かりません
相似=形が同じで大きさが違う。対応する辺の比が等しい——この一点を軸に問題を見てください。
三平方の定理はどう使いますか?
直角三角形で2辺が分かれば3辺目が出る、という道具です。直角があるかを最初に探す癖をつけてください。
円の性質が覚えられません
円周角の定理が中心です。同じ弧に対する円周角は等しい、円周角は中心角の半分——この2つから始めてください。
空間図形が想像できません
無理に想像せず、展開図や断面を描いて平面に落とすほうが確実です。
体積・表面積の公式が混ざります
錐は「柱の3分の1」——これだけ押さえれば覚える量が半分になります。
作図が苦手です
出題される作図は限られています。垂直二等分線、角の二等分線、垂線——この3つを確実に描けるようにしてください。
6. 確率・データ
確率が苦手です
公式より数え上げです。樹形図や表を書いて、漏れなく数える練習をしてください。
樹形図が書けません
1つ目の要素で枝分かれ、その先で2つ目——順番に書くだけです。面倒でも全部書くことが確実です。
サイコロ2個の問題が分かりません
6×6の表を書いてください。36通りを表にすると、条件に合うマスを数えるだけになります。
データの活用が分かりません
用語(平均値・中央値・最頻値・範囲・四分位数)の定義を確認してください。計算自体は難しくありません。
箱ひげ図が読めません
5つの値(最小・第1四分位・中央・第3四分位・最大)を表しているだけです。どこが何を示すかを覚えれば読めます。
標本調査とは何ですか?
全体を調べる代わりに一部を調べて推定する方法です。比例の考え方で計算できます。
7. 文章題
文章題が苦手です
まず何を x にするかを決めてください。多くの場合、聞かれているものを x とします。
式が立てられません
図や表を書いてください。頭の中だけで処理しようとしないことが最大のコツです。
速さの問題が分かりません
「距離=速さ×時間」を軸に、表を書いて整理してください。何が等しいかを見つければ式になります。
割合の問題が苦手です
小学校の割合に戻ってください。「〜の何%」がどの数にかかるかを明確にすることが出発点です。
文章題を捨ててもよいですか?
配点によります。ただし頻出パターンは限られているため、型を数種類覚えるだけで対応できることが多くあります。
8. 入試での戦い方
応用問題が解けません
入試では前半の基礎〜標準問題の配点が大きいため、そこを確実に取るほうが得点は伸びます。応用は後回しで構いません。
何点を目標にすればよいですか?
まず前半の基礎問題を全問正解を目標に。それだけで大きく変わります。
数学が傾斜配点される学校はありますか?
あります。川越女子(200点)、川越南・所沢の第1次(200点)、浦和(150点)、理数科各校(200点)など。数学が得意なら有利な学校を選ぶ戦略があります。
時間が足りません
解く順番を決めてください。確実に取れる問題を先に処理し、難問は最後に回してください。
部分点はありますか?
記述問題では途中まででも点がつく場合があります。白紙にしないでください。
マークシートだと解き方は関係ないですか?
2027年度からマークシート方式が導入されます。途中式を丁寧に書くことは変わらず重要です(計算ミスを防ぐため)。
9. 勉強のやり方
問題集は何を使えばよいですか?
まず学校のワークを完璧に。市販教材はその後で構いません。
同じ問題を何回解けばよいですか?
何も見ずに解けるまでです。1回で解ければ十分、詰まれば日を空けて再度取り組んでください。
解説を読んで分かった気になります
よくあることです。解説を閉じて、もう一度自分で解く——手を動かして再現できて初めて理解です。
ノートはどう作りますか?
きれいにまとめる必要はありません。間違えた問題と、その解き方のポイントだけを残してください。
1日どれくらいやればよいですか?
計算10問+単元の問題数問でも構いません。毎日続けることのほうが重要です。
動画授業は効果がありますか?
理解の補助にはなります。ただし見るだけでは解けるようになりません。必ず自分で問題を解いてください。
計算アプリは使ってよいですか?
答えを見るだけなら逆効果です。自分で解いた後の確認に使ってください。
10. 気持ちの問題
数学が嫌いです
全部を好きになる必要はありません。「計算だけは確実にできる」という状態を作るところから始めてください。1つできると変わります。
やっても点が上がりません
応用問題に時間を使いすぎていませんか。基礎問題の正答率を確認してください。そこに伸びしろがあることが多いです。
周りができていて焦ります
数学は積み重ねの教科なので、差がつきやすい科目です。自分がどこから戻るかだけを考えてください。
今からでも間に合いますか?
計算と基礎問題に絞れば、短期間でも得点は変わります。満点を目指さないことが現実的な戦略です。
数学を捨ててもよいですか?
おすすめしません。5教科の合計で判定されるため、1教科を捨てると挽回が難しくなります。基礎問題を確実に取るだけでも大きく違います。
今の学年の内容が分からないなら、それは能力の問題ではなく、順番の問題です。中1の計算に戻ることを恥ずかしがらないでください。そこから積み直せば、必ず前に進めます。
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