天体の予想問題5問——動く向きと時刻のずれのミスを1問ずつ解説
天体は中3で習う理科の単元で、星の日周運動と年周運動、季節と太陽の南中高度、月の満ち欠け、金星の見え方が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。動く向きや時刻のずれを逆に考えたり、上弦と下弦を取りちがえたりして点を落としやすい単元です。日周運動・年周運動・南中高度・月の満ち欠け・金星の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。計算の答えは検算済みです。
- 日周運動:星は東から西へ、1時間に約15度動いて見える
- 年周運動:同じ時刻の星は1か月に約30度西へずれ、南中は約2時間早くなる
- 南中高度:春分・秋分は90度から緯度を引く。夏至は地軸の傾き分高く、冬至は低い
- 月は太陽のある側が光る。夕方に南の空に見えるのは上弦の月
- 金星は明け方の東か夕方の西にだけ見え、近いときほど大きく欠ける
問題(まず自分で解いてみよう)
- ある日の午後8時に、ある星が真南に見えました。同じ日の午後11時には、この星は真南からどちらの方向に何度動いた位置に見えますか。
- ある星が、ある日の午後10時に南中しました。2か月後に同じ場所で観察すると、この星が南中する時刻はおよそ何時ですか。
- 北緯36度の地点で、夏至の日と冬至の日の太陽の南中高度はそれぞれ何度ですか。ただし、地軸は公転面に垂直な方向に対して23.4度傾いているものとします。
- ある日の夕方6時ごろ、南の空に月が見えました。この月の名前を答えなさい。また、光って見えるのは月の右側と左側のどちらですか。この月を観察した日から約1週間後の同じ時刻には、どのような形の月がどの方角の空に見えますか。
- 金星について正しいものを、次のア〜エからすべて選びなさい。
ア 明け方には東の空に見えることがある。
イ 真夜中に南の空に見えることがある。
ウ 地球に近いときほど、大きく欠けて見える。
エ 月と同じように、満月のような丸い形で大きく見えることが多い。
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
ある日の午後8時に、ある星が真南に見えました。同じ日の午後11時には、この星は真南からどちらの方向に何度動いた位置に見えますか。
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答え:西の方向に約45度動いた位置に見えます
考え方:地球は西から東へ1日に1回自転しているので、星は東から西へ動いて見えます(日周運動)。24時間で360度なので、1時間に約15度動きます。
解き方:午後8時から午後11時までは3時間なので、15度の3倍で約45度、西へ動いた位置に見えます。
よくあるミス:① 星が西から東へ動くと考えるミス。地球が西から東へ自転するので、星は反対の東から西へ動いて見えます。② 年周運動の「1か月に約30度」と取りちがえるミス。1日の中の動きは「1時間に約15度」です。
確かめ:24時間では15度の24倍で360度になり、1日で星が天球を1周する(同じ位置にもどる)ことと合っています。
問題2
ある星が、ある日の午後10時に南中しました。2か月後に同じ場所で観察すると、この星が南中する時刻はおよそ何時ですか。
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答え:およそ午後6時です
考え方:地球は太陽のまわりを1年で1回公転しているので、同じ時刻に見える星の位置は、1か月に約30度ずつ東から西へずれていきます(年周運動)。日周運動では1時間に約15度動くので、30度は約2時間分にあたります。
解き方:1か月で南中する時刻が約2時間早くなるので、2か月では約4時間早くなります。午後10時の4時間前で、午後6時ごろに南中します。
よくあるミス:① 南中する時刻が遅くなると考えるミス。同じ時刻に見ると星は西へずれているので、同じ位置(南中)に来るのは早い時刻になります。② 1か月のずれを1時間とするミス。30度は、1時間に15度の日周運動で2時間分です。
確かめ:12か月では2時間の12倍で24時間早くなり、1年後には同じ時刻に南中する、つまり星座の見え方が1年でもとにもどることと合っています。
問題3
北緯36度の地点で、夏至の日と冬至の日の太陽の南中高度はそれぞれ何度ですか。ただし、地軸は公転面に垂直な方向に対して23.4度傾いているものとします。
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答え:夏至の日は77.4度、冬至の日は30.6度です
考え方:春分・秋分の日の南中高度は「90度から緯度を引いた角度」です。夏至の日はそれより地軸の傾きの分だけ高く、冬至の日は地軸の傾きの分だけ低くなります。
解き方:春分・秋分の日は90度から36度を引いて54度です。夏至の日は54度に23.4度を足して77.4度、冬至の日は54度から23.4度を引いて30.6度です。
よくあるミス:① 春分・秋分の南中高度を緯度そのもの(36度)と考えるミス。南中高度は「90度から緯度を引く」ことから始めます。② 夏至と冬至で足し引きを逆にするミス。日本(北半球)では、夏至のほうが太陽が高く、昼が長くなります。
確かめ:夏至の77.4度と冬至の30.6度の差は46.8度で、地軸の傾き23.4度の2倍になります。夏至と冬至で南中高度が地軸の傾きの2倍だけちがう、という関係と合っています。
問題4
ある日の夕方6時ごろ、南の空に月が見えました。この月の名前を答えなさい。また、光って見えるのは月の右側と左側のどちらですか。この月を観察した日から約1週間後の同じ時刻には、どのような形の月がどの方角の空に見えますか。
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答え:上弦の月で、右側が光って見えます。約1週間後の同じ時刻には、満月が東の空に見えます
考え方:月は太陽の光を反射して光るので、太陽のある側が光って見えます。夕方は太陽が西にしずむところなので、夕方に南の空にある月は、西側(右側)が光ります。月は約29.5日で満ち欠けをくり返し、約1週間ごとに新月→上弦の月→満月→下弦の月と変わります。
解き方:夕方に南中し、右側(西側)が光る半月なので上弦の月です。約1週間後には満月になります。満月は太陽と反対側にあるので、夕方6時ごろは東の空からのぼってくるところです。
よくあるミス:① 上弦と下弦を取りちがえるミス。夕方に南の空に見え、右側が光るのが上弦の月、明け方に南の空に見え、左側が光るのが下弦の月です。② 満月も夕方に南の空に見えると考えるミス。満月は太陽と反対側にあるので、夕方に東からのぼり、真夜中に南中します。
確かめ:太陽・地球・月の位置で考えると、上弦の月は太陽から見て90度ずれた位置、満月は太陽と反対の位置にあります。夕方(太陽が西)に東の空に見えるのは、太陽と反対側にある満月で合っています。
問題5
金星について正しいものを、次のア〜エからすべて選びなさい。
ア 明け方には東の空に見えることがある。
イ 真夜中に南の空に見えることがある。
ウ 地球に近いときほど、大きく欠けて見える。
エ 月と同じように、満月のような丸い形で大きく見えることが多い。
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答え:アとウです
考え方:金星は地球より内側を公転する惑星なので、地球から見ると常に太陽に近い方向にあります。そのため、明け方の東の空か夕方の西の空にしか見えません。また、地球との距離が大きく変わるので、見かけの大きさと欠け方が変わります。
解き方:ア は明け方の東の空に見える「明けの明星」なので正しい。イ の真夜中は、太陽と反対の方向を見ているので、金星は見えません。ウ は地球に近いときほど大きく見え、欠け方も大きくなるので正しい。エ は、丸く見えるのは地球から遠いときで、そのときは小さく見えるので誤りです。答えはアとウです。
よくあるミス:① 火星や木星と同じように、真夜中にも見えると考えるミス。地球より外側の惑星は真夜中にも見えますが、内側の金星は見えません。② 近いときほど丸く見えると考えるミス。近いときは、光っている面の多くが地球と反対側を向くので、細く大きく欠けて見えます。
確かめ:夕方の西の空に見える金星は「よいの明星」とよばれます。明け方の東か夕方の西にしか見えない、という説明と合っています。
天体の動きと見え方のまとめ表
| 項目 | きまり | まちがえやすい点 | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 日周運動 | 地球の自転による。星は1時間に約15度、東から西へ | 動く向きを逆にする | 問題1 |
| 年周運動 | 地球の公転による。同じ時刻の星は1か月に約30度西へ | 南中する時刻は早くなる | 問題2 |
| 南中高度 | 春分・秋分は90度から緯度を引く。夏至・冬至は地軸の傾き分だけ高い・低い | 緯度そのものを南中高度にしない | 問題3 |
| 月の満ち欠け | 太陽のある側が光る。新月→上弦→満月→下弦 | 上弦は夕方に南、満月は真夜中に南 | 問題4 |
| 金星 | 明け方の東か夕方の西にだけ見える | 真夜中には見えない。近いほど大きく欠ける | 問題5 |
迷ったときの手順
- 1日の中の動きか(日周運動)、日をまたいだ動きか(年周運動)を最初に決める
- 日周運動は1時間に約15度、年周運動は1か月に約30度を使い、向きはどちらも東から西
- 南中高度は、まず春分・秋分の高さ(90度から緯度を引く)を出してから、夏至・冬至を考える
- 月や金星の見え方は、太陽・地球・天体の位置関係を図にかいて、光っている側を確かめる
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よくある質問
日周運動と年周運動のちがいは何ですか?
日周運動は地球の自転による星の見かけの動きで、1時間に約15度、東から西へ動きます。年周運動は地球の公転による動きで、同じ時刻に見える星の位置が1か月に約30度ずつ西へずれていきます。
太陽の南中高度はどうやって求めますか?
春分・秋分の日は90度から緯度を引いた角度です。夏至の日はそれに地軸の傾き(23.4度)を足し、冬至の日は地軸の傾きを引いて求めます。
金星が真夜中に見えないのはなぜですか?
金星は地球より内側を公転しているので、地球から見ると常に太陽に近い方向にあります。真夜中は太陽と反対の方向を見ているので、金星は見えません。
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