気象の予想問題5問——湿度の計算と前線の取りちがえを1問ずつ解説
気象は中2で習う理科の単元で、湿度と飽和水蒸気量の計算、露点、雲のでき方、前線と天気の変化、高気圧・低気圧が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。湿度の計算でわる数を取りちがえたり、寒冷前線と温暖前線の特徴を逆に覚えたりして点を落としやすい単元です。湿度・露点・雲のでき方・前線・高気圧と低気圧の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。計算の答えは検算済みです。
- 湿度は、ふくまれている水蒸気量を、今の気温の飽和水蒸気量でわって百分率にしたもの
- 露点は、ふくまれている水蒸気量と飽和水蒸気量が等しくなる温度
- 上昇した空気は膨張して温度が下がり、露点に達すると雲ができる
- 寒冷前線は積乱雲で強く短い雨・通過後に気温が下がる、温暖前線は弱く長い雨
- 高気圧は下降気流で晴れ、低気圧は上昇気流で雲ができやすい
問題(まず自分で解いてみよう)
- 気温20℃の部屋の空気1m³中に、8.65gの水蒸気がふくまれています。この部屋の空気の湿度は何%ですか。
【飽和水蒸気量(g/m³)】10℃:9.4 15℃:12.8 20℃:17.3 25℃:23.0 - 気温25℃で、空気1m³中に12.8gの水蒸気をふくむ空気があります。この空気の露点は何℃ですか。また、この空気1m³を10℃まで冷やすと、何gの水蒸気が水滴になりますか。
【飽和水蒸気量(g/m³)】10℃:9.4 15℃:12.8 20℃:17.3 25℃:23.0 - 次のア〜エは、地上の空気のかたまりが上昇して雲ができるまでのようすです。正しい順にならべなさい。
ア 空気の温度が露点に達する。
イ まわりの気圧が低くなり、空気が膨張する。
ウ 水蒸気が水滴や氷の粒になり、雲ができる。
エ 膨張した空気の温度が下がる。 - 寒冷前線が通過したあとの天気の変化として正しいものを、次のア〜エからすべて選びなさい。
ア 気温が急に下がる。
イ 風向が南寄りに変わる。
ウ せまい範囲に短時間の強い雨が降ったあと、雨がやむ。
エ おだやかな雨が長時間降り続く。 - 北半球の高気圧と低気圧について、正しいものを次のア〜エからすべて選びなさい。
ア 高気圧の中心付近では上昇気流が生じ、雲ができやすい。
イ 高気圧の中心からは、時計回りに風がふき出す。
ウ 低気圧の中心に向かって、反時計回りに風がふきこむ。
エ 低気圧の中心付近では下降気流が生じ、晴れやすい。
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
気温20℃の部屋の空気1m³中に、8.65gの水蒸気がふくまれています。この部屋の空気の湿度は何%ですか。
【飽和水蒸気量(g/m³)】10℃:9.4 15℃:12.8 20℃:17.3 25℃:23.0
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答え:湿度は50%です
考え方:湿度は、その気温の飽和水蒸気量(空気1m³がふくむことのできる水蒸気の最大の量)に対して、実際にふくまれている水蒸気の量がどれくらいの割合かを百分率で表したものです。
解き方:20℃の飽和水蒸気量は17.3g/m³です。実際の水蒸気量8.65gを17.3gでわると2分の1になるので、百分率で表して湿度は50%です。
よくあるミス:① わる数とわられる数を逆にして、17.3を8.65でわってしまうミス。湿度は100%をこえないので、答えが100より大きくなったら逆になっています。② ほかの気温の飽和水蒸気量を使うミス。必ず今の気温の飽和水蒸気量でわります。
確かめ:17.3gの半分は8.65gで、問題の水蒸気量と一致します。飽和水蒸気量の半分の水蒸気をふくんでいるので、湿度50%で合っています。
問題2
気温25℃で、空気1m³中に12.8gの水蒸気をふくむ空気があります。この空気の露点は何℃ですか。また、この空気1m³を10℃まで冷やすと、何gの水蒸気が水滴になりますか。
【飽和水蒸気量(g/m³)】10℃:9.4 15℃:12.8 20℃:17.3 25℃:23.0
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答え:露点は15℃で、水滴になるのは3.4gです
考え方:露点は、空気を冷やしていったときに、ふくまれている水蒸気が水滴になり始める温度です。ふくまれている水蒸気量と、飽和水蒸気量が等しくなる温度をさがします。
解き方:飽和水蒸気量が12.8g/m³になるのは15℃なので、露点は15℃です。10℃まで冷やすと、空気1m³がふくめる水蒸気は9.4gまでなので、12.8gと9.4gの差の3.4gが水滴になります。
よくあるミス:① 露点を今の気温25℃の飽和水蒸気量から考えてしまうミス。露点はふくまれている水蒸気量で決まり、気温には関係しません。② 水滴になる量を、23.0gと9.4gの差で求めてしまうミス。使うのは、実際にふくまれている12.8gです。
確かめ:10℃まで冷やしたあと、空気1m³には9.4gの水蒸気が残り、これは10℃の飽和水蒸気量と同じなので湿度100%です。水滴になった3.4gと残った9.4gを合わせると、もとの12.8gになります。
問題3
次のア〜エは、地上の空気のかたまりが上昇して雲ができるまでのようすです。正しい順にならべなさい。
ア 空気の温度が露点に達する。
イ まわりの気圧が低くなり、空気が膨張する。
ウ 水蒸気が水滴や氷の粒になり、雲ができる。
エ 膨張した空気の温度が下がる。
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答え:イ、エ、ア、ウの順です
考え方:上空ほど気圧が低いので、上昇した空気は膨張します。空気は膨張すると温度が下がり、露点より低くなると水蒸気が水滴になります。
解き方:上昇 → 気圧が低くなり膨張(イ) → 温度が下がる(エ) → 露点に達する(ア) → 水滴や氷の粒ができて雲になる(ウ)。答えはイ、エ、ア、ウです。
よくあるミス:① 「上空は太陽に近いから暖かい」と考えて、温度が下がる理由を説明できないミス。温度が下がるのは膨張するからです。② 膨張と圧縮を逆にするミス。上昇すると気圧が低くなるので膨張、下降すると気圧が高くなるので圧縮されて温度が上がります。
確かめ:空気を入れた袋を山の上に持っていくとふくらむことや、少量の水と線香の煙を入れた簡易真空容器から空気を抜くと中がくもることも、膨張して温度が下がる、という同じしくみで説明できます。
問題4
寒冷前線が通過したあとの天気の変化として正しいものを、次のア〜エからすべて選びなさい。
ア 気温が急に下がる。
イ 風向が南寄りに変わる。
ウ せまい範囲に短時間の強い雨が降ったあと、雨がやむ。
エ おだやかな雨が長時間降り続く。
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答え:アとウです
考え方:寒冷前線は、寒気が暖気の下にもぐりこみ、暖気を急激におし上げながら進む前線です。上にのびる積乱雲ができ、通過後は寒気におおわれます。
解き方:通過後は寒気に入るので気温は急に下がり(ア)、風向は北寄りに変わります。雨は積乱雲によるせまい範囲の短時間の強い雨(ウ)です。イ の南寄りは逆で、エ のおだやかな雨が長く続くのは温暖前線の特徴です。答えはアとウです。
よくあるミス:① 寒冷前線と温暖前線の雨の降り方を取りちがえるミス。寒冷前線は積乱雲で「強く短く」、温暖前線は乱層雲で「弱く長く」と組にして覚えましょう。② 通過後の気温を「上がる」とするミス。寒冷前線は通過後に寒気、温暖前線は通過後に暖気に入ります。
確かめ:寒冷前線の「寒」は、通過後に寒気に入ることを表しています。気温が下がり、北寄りの冷たい風に変わる、という変化と合っています。
問題5
北半球の高気圧と低気圧について、正しいものを次のア〜エからすべて選びなさい。
ア 高気圧の中心付近では上昇気流が生じ、雲ができやすい。
イ 高気圧の中心からは、時計回りに風がふき出す。
ウ 低気圧の中心に向かって、反時計回りに風がふきこむ。
エ 低気圧の中心付近では下降気流が生じ、晴れやすい。
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答え:イとウです
考え方:風は気圧の高いほうから低いほうへふきます。高気圧の中心では空気が下りてきて(下降気流)まわりへふき出し、低気圧の中心では空気がふきこんで上へのぼります(上昇気流)。
解き方:北半球では、高気圧から時計回りにふき出し(イ)、低気圧へは反時計回りにふきこみます(ウ)。ア とエ は上昇気流と下降気流が逆です。高気圧は下降気流で晴れやすく、低気圧は上昇気流で雲ができやすくなります。答えはイとウです。
よくあるミス:① 高気圧と低気圧の気流を逆に覚えるミス。「低気圧は上昇気流 → 問題3のしくみで雲ができる → くもりや雨」とつなげて覚えると忘れにくくなります。② 回る向きを逆にするミス。「高気圧は時計回りにふき出す」の1つだけ覚えれば、低気圧はその逆です。
確かめ:天気図で低気圧の近くに前線や雨のマークが多く、高気圧の近くは晴れが多いことと合っています。
寒冷前線と温暖前線のまとめ表
| 項目 | 寒冷前線 | 温暖前線 | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| できる雲 | 積乱雲(上にのびる雲) | 乱層雲など(横に広がる雲) | 問題4 |
| 雨の降り方 | せまい範囲に短時間の強い雨 | 広い範囲に長時間のおだやかな雨 | 問題4 |
| 通過後の気温 | 下がる | 上がる | 問題4 |
| 通過後の風向 | 北寄り | 南寄り | 問題4 |
| 湿度・露点 | 湿度は水蒸気量を今の気温の飽和水蒸気量でわって百分率にする。露点は水蒸気量だけで決まる | 問題1・2 | |
迷ったときの手順
- 湿度の問題は、まず「今の気温」と「ふくまれている水蒸気量」を書き出す
- 湿度は「水蒸気量 ÷ 今の気温の飽和水蒸気量」を百分率にする。100%をこえたら逆にわっている
- 露点は、表から「飽和水蒸気量=ふくまれている水蒸気量」になる温度をさがす
- 前線の問題は、寒気と暖気のどちらに入るかを考えて、気温・風向・雨の降り方を決める
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よくある質問
湿度はどうやって求めますか?
空気1m³中にふくまれている水蒸気の量を、その気温の飽和水蒸気量でわり、百分率で表します。答えが100%をこえたら、わる数とわられる数が逆になっています。
露点とは何ですか?
空気を冷やしていったときに、ふくまれている水蒸気が水滴になり始める温度です。ふくまれている水蒸気量と飽和水蒸気量が等しくなる温度で、気温ではなく水蒸気量で決まります。
寒冷前線と温暖前線のちがいは何ですか?
寒冷前線は積乱雲ができ、せまい範囲に短時間の強い雨が降り、通過後は気温が下がって北寄りの風になります。温暖前線は広い範囲におだやかな雨が長く降り、通過後は気温が上がります。
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