水溶液の濃度と溶解度の予想問題5問——分母と引き算のミスを1問ずつ解説
水溶液(濃度・溶解度)は中1で習う理科の単元で、質量パーセント濃度の計算、溶解度と再結晶、飽和水溶液が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。「分母は水か水溶液か」「どこから引くか」を取りちがえると、式はわかっていても点を落としやすい単元です。濃度の求め方・溶質と水の質量・うすめる計算・再結晶の量・塩化ナトリウムの取り出し方の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。計算の答えは検算済みです。
- 質量パーセント濃度は、溶質の質量を水溶液全体(溶質+水)の質量でわって百分率にしたもの
- 溶質の質量は「水溶液の質量の100分のいくつか」で求め、水はその残り
- 水を加えても溶質の質量は変わらない。濃度を半分にするには全体を2倍に
- 再結晶で出る量=とかした量−冷やした温度でとける量(水100gあたりの表に注意)
- 塩化ナトリウムは溶解度が温度でほとんど変わらないので、水を蒸発させて取り出す
問題(まず自分で解いてみよう)
- 砂糖20gを水80gにとかして砂糖水をつくりました。この砂糖水の質量パーセント濃度は何%ですか。
- 質量パーセント濃度15%の食塩水が200gあります。この食塩水にとけている食塩の質量と、水の質量はそれぞれ何gですか。
- 質量パーセント濃度10%の食塩水100gに水を加えて、濃度を5%にしたいと思います。加える水は何gですか。
- 下の表は、水100gにとける硝酸カリウムの限度の量(溶解度)を表しています。60℃の水100gに硝酸カリウム80gをすべてとかしたあと、この水溶液を20℃まで冷やすと、何gの結晶が出てきますか。
20℃:32g 40℃:64g 60℃:109g - 塩化ナトリウム(食塩)の飽和水溶液を冷やしても、結晶はほとんど出てきませんでした。その理由と、この水溶液から塩化ナトリウムの結晶を取り出す方法を答えなさい。
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
砂糖20gを水80gにとかして砂糖水をつくりました。この砂糖水の質量パーセント濃度は何%ですか。
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答え:20%です
考え方:質量パーセント濃度は、水溶液全体の質量に対する溶質(とけている物質)の質量の割合を百分率で表したものです。水溶液の質量は「溶質+溶媒(水)」です。
解き方:水溶液全体は、砂糖20gと水80gを合わせて100g。溶質の砂糖20gは、全体100gの100分の20なので、濃度は20%です。
よくあるミス:水の質量80gを全体と考えて、20gを80gでわって25%としてしまうミスです。分母は水ではなく水溶液全体(砂糖+水)です。「全体はいくつか」を先に書き出しましょう。
確かめ:20%の砂糖水100gには、その100分の20で20gの砂糖がとけています。問題の砂糖の質量と一致するので、答えは正しいとわかります。
問題2
質量パーセント濃度15%の食塩水が200gあります。この食塩水にとけている食塩の質量と、水の質量はそれぞれ何gですか。
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答え:食塩は30gで、水は170gです
考え方:濃度15%は、水溶液100gあたり溶質が15gとけているという意味です。溶質の質量=水溶液の質量×(濃度÷100)で求められます。
解き方:200gは100gの2倍なので、食塩は15gの2倍で30g。水は全体から食塩を引いて、200 − 30 = 170 で170gです。
よくあるミス:① 水の質量を200gのままにしてしまうミス。200gは食塩水全体の質量なので、水は食塩の分だけ少なくなります。② 15を200でわってしまうミス。「全体の100分の15」と言葉で確かめてから計算しましょう。
確かめ:食塩30gと水170gを合わせると200gになり、食塩30gは全体200gの200分の30、つまり100分の15で15%となって、問題の条件と一致します。
問題3
質量パーセント濃度10%の食塩水100gに水を加えて、濃度を5%にしたいと思います。加える水は何gですか。
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答え:100gです
考え方:水を加えても、とけている食塩の質量は変わりません。変わるのは水溶液全体の質量だけです。まず食塩の質量を求め、それが5%になる全体の質量を考えます。
解き方:10%の食塩水100gにとけている食塩は10g。食塩10gが全体の5%(100分の5)になるのは、全体が200gのときです。今は100gなので、加える水は 200 − 100 = 100 で100gです。
よくあるミス:① 濃度を半分にするのだから、水を半分の50g加えればよいと考えるミス。濃度を半分にするには、全体の質量を2倍にする必要があります。② 食塩の質量も変わると考えてしまうミス。水を加えても食塩は増えも減りもしません。
確かめ:水を100g加えると全体は200gで、食塩は10gのまま。10gは200gの20分の1、つまり100分の5なので5%になり、目標の濃度と一致します。
問題4
下の表は、水100gにとける硝酸カリウムの限度の量(溶解度)を表しています。60℃の水100gに硝酸カリウム80gをすべてとかしたあと、この水溶液を20℃まで冷やすと、何gの結晶が出てきますか。
20℃:32g 40℃:64g 60℃:109g
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答え:48gの結晶が出てきます
考え方:水溶液を冷やすと溶解度が小さくなり、とけきれなくなった分が結晶として出てきます(再結晶)。出てくる結晶の質量は「とけていた量 − その温度でとけることのできる量」です。
解き方:60℃では109gまでとけるので、80gはすべてとけています。20℃の水100gには32gまでしかとけないので、出てくる結晶は 80 − 32 = 48 で48gです。
よくあるミス:① 溶解度どうしの差(109 − 32 = 77)を答えてしまうミス。実際にとかしたのは80gなので、109gではなく80gから引きます。② 水の量が100gでない問題で、表の値をそのまま使ってしまうミス。水が200gなら、とける量も2倍になります。
確かめ:20℃で残っているのは、とけきれる限度いっぱいの32gと水100gの飽和水溶液です。とけている32gと結晶48gを合わせると、最初にとかした80gになります。
問題5
塩化ナトリウム(食塩)の飽和水溶液を冷やしても、結晶はほとんど出てきませんでした。その理由と、この水溶液から塩化ナトリウムの結晶を取り出す方法を答えなさい。
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答え:温度による溶解度の変化が小さいからで、水を蒸発させて取り出します
考え方:塩化ナトリウムは、温度が変わっても溶解度がほとんど変わらない物質です。そのため、冷やしてもとけきれなくなる量がわずかしかありません。
解き方:理由は「温度による溶解度の変化が小さいから」。取り出すには、加熱したり放置したりして水を蒸発させる方法を使います。水が減ると、とけていられる量も減るので、結晶が出てきます。
よくあるミス:① 「冷やせばどんな物質でも結晶がたくさん出る」と思いこむミス。冷やして多く取り出せるのは、硝酸カリウムのように温度で溶解度が大きく変わる物質です。② ろ過で取り出せると答えるミス。とけている物質はろ紙を通りぬけるので、ろ過では取り出せません。
確かめ:溶解度曲線を見ると、塩化ナトリウムのグラフはほぼ水平で、硝酸カリウムのグラフは右上がりに大きく変化しています。グラフの形と、取り出し方のちがいが対応しています。
水溶液の計算のまとめ表
| 求めるもの | 考え方 | 注意点 | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 質量パーセント濃度 | 溶質の質量を水溶液全体の質量でわり、百分率にする | 分母は水ではなく水溶液全体 | 問題1 |
| 溶質の質量 | 水溶液の質量の100分の(濃度) | 水の質量は全体から溶質を引く | 問題2 |
| うすめる・こくする | 溶質の質量は変わらないとして全体を求める | 加える水=新しい全体−もとの全体 | 問題3 |
| 再結晶で出る量 | とかした量−その温度でとける量 | 水が100gでなければ表の値を比例で直す | 問題4 |
| 結晶の取り出し方 | 冷やす(硝酸カリウムなど)/水を蒸発させる(塩化ナトリウム) | ろ過ではとけている物質は取り出せない | 問題5 |
迷ったときの手順
- 溶質・溶媒(水)・水溶液全体の質量を、それぞれ書き出す
- 濃度の問題は「溶質÷全体」の形を確かめてから数を入れる
- 水を加えたり蒸発させたりする問題は、溶質の質量が変わらないことを使う
- 溶解度の問題は、水の量が100gかどうかを確かめ、「とかした量」から引く
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よくある質問
質量パーセント濃度の分母は何ですか?
分母は水溶液全体の質量(溶質の質量と水の質量の合計)です。水の質量だけでわると、濃度を大きく計算してしまうので注意しましょう。
再結晶で出てくる結晶の量はどう求めますか?
とかしていた溶質の質量から、冷やしたあとの温度でとけることのできる質量を引いて求めます。水が100gでないときは、溶解度の表の値を水の量に合わせて直します。
塩化ナトリウムの結晶はどうやって取り出しますか?
塩化ナトリウムは温度による溶解度の変化が小さいので、冷やしてもほとんど結晶が出ません。水を蒸発させて取り出します。
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