公民 政治のしくみの予想問題5問——国会・内閣・裁判所の役割を1問ずつ解説
政治のしくみは中3で習う社会(公民)の単元で、国会と衆議院の優越、議院内閣制、裁判所と三審制、裁判員制度、三権分立が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。どの機関の仕事かを取りちがえたり、しくみの理由を説明する問題で言葉が足りなかったりして点を落としやすい単元です。衆議院の優越・議院内閣制・三審制・裁判員制度・三権分立の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。
- 衆議院の優越の理由は、任期が短く解散があり、国民の意見を反映しやすいから
- 議院内閣制:内閣は国会の信任にもとづき、国会に連帯して責任を負う。不信任なら10日以内に解散か総辞職
- 三審制:第一審→控訴→第二審→上告→第三審。裁判を慎重に行い人権を守る
- 裁判員制度:くじで選ばれた国民が重大な刑事裁判の第一審に参加する
- 三権分立:弾劾裁判(国会→裁判所)、解散(内閣→国会)、違憲審査(裁判所→国会・内閣)
問題(まず自分で解いてみよう)
- 国会では、いくつかの点で衆議院の議決が参議院の議決より優先されます。これを衆議院の優越といいます。衆議院の優越が認められている理由を、「任期」「解散」という言葉を使って説明しなさい。また、衆議院の優越が認められている例を1つ挙げなさい。
- 日本は議院内閣制をとっています。議院内閣制とはどのようなしくみですか。また、衆議院で内閣不信任案が可決されたとき、内閣はどうしなければなりませんか。
- 日本の裁判では、1つの事件について原則として3回まで裁判を受けることができます。このしくみを何といいますか。また、このしくみがとられている目的を説明しなさい。
- 2009年に始まった裁判員制度とは、どのような制度ですか。「刑事裁判」という言葉を使って説明しなさい。また、この制度が導入された目的を答えなさい。
- 国の権力は、国会(立法権)・内閣(行政権)・裁判所(司法権)に分けられ、たがいに抑制し合っています。次のア〜エは、どこからどこへの働きですか。「国会→裁判所」のように答えなさい。
ア 弾劾裁判所を設置する。
イ 衆議院を解散する。
ウ 法律が憲法に違反していないかを審査する。
エ 最高裁判所の長官を指名する。
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
国会では、いくつかの点で衆議院の議決が参議院の議決より優先されます。これを衆議院の優越といいます。衆議院の優越が認められている理由を、「任期」「解散」という言葉を使って説明しなさい。また、衆議院の優越が認められている例を1つ挙げなさい。
答えと解説を見る
答え:衆議院は参議院より任期が短く、解散もあるため、国民の意見をより反映しやすいと考えられているからです。例としては、予算は衆議院が先に審議し、議決が異なった場合は衆議院の議決が国会の議決になることがあります
考え方:国会は衆議院と参議院の二院制です。衆議院の任期は4年で解散があり、参議院の任期は6年で解散はありません(3年ごとに半数を改選)。
解き方:衆議院は任期が短く解散もあるので、選挙で国民の意見がより反映されやすいと考えられています。そのため、予算の先議と議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名、法律案の再可決(出席議員の3分の2以上の賛成)、内閣不信任の決議などで衆議院の優越が認められています。
よくあるミス:① 理由を「衆議院のほうが議員の数が多いから」と書くミス。理由は議員の数ではなく、任期が短く解散があることです。② 内閣不信任の決議を参議院でもできると考えるミス。内閣不信任の決議ができるのは衆議院だけです。
確かめ:選挙の回数が多いほど、そのときどきの国民の意見が議員の顔ぶれに反映されます。任期が短く解散のある衆議院が優先されることは、国民主権の考え方と合っています。
問題2
日本は議院内閣制をとっています。議院内閣制とはどのようなしくみですか。また、衆議院で内閣不信任案が可決されたとき、内閣はどうしなければなりませんか。
答えと解説を見る
答え:内閣が国会の信任にもとづいて成立し、国会に対して連帯して責任を負うしくみです。内閣不信任案が可決されたときは、10日以内に衆議院を解散するか、総辞職しなければなりません
考え方:内閣総理大臣は国会議員の中から国会が指名し、国務大臣の過半数も国会議員から選ばれます。内閣は国会の信任の上に成り立っています。
解き方:議院内閣制は、内閣が国会の信任にもとづいて成立し、国会に対して連帯して責任を負うしくみです。衆議院で内閣不信任案が可決されると、内閣は10日以内に衆議院を解散するか、総辞職しなければなりません。
よくあるミス:① 不信任案が可決されたら「参議院を解散する」と書くミス。解散があるのは衆議院だけです。② 内閣総理大臣を国民が直接選ぶと考えるミス。内閣総理大臣は国会が指名し、天皇が任命します。国民の直接選挙で選ばれるのは、地方公共団体の首長です。
確かめ:国会の信任がなくなれば、内閣は続けられません。そのかわりに衆議院を解散して国民の判断を選挙で問う道もあり、どちらにしても国民の意思が反映されるしくみになっています。
問題3
日本の裁判では、1つの事件について原則として3回まで裁判を受けることができます。このしくみを何といいますか。また、このしくみがとられている目的を説明しなさい。
答えと解説を見る
答え:三審制です。裁判を慎重に行って誤りを防ぎ、国民の人権を守るためです
考え方:裁判所には、最高裁判所と、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の下級裁判所があります。判決に納得できないときは、上級の裁判所に訴えることができます。
解き方:このしくみは三審制です。第一審の判決に不服なときは控訴し、第二審の判決に不服なときは上告できます。裁判を慎重に行って誤りを防ぎ、人権を守ることが目的です。
よくあるミス:① 控訴と上告を逆にするミス。第一審から第二審へは控訴、第二審から第三審へは上告です。② 三審制の目的を「裁判を早く終わらせるため」と書くミス。目的は、裁判を慎重に行うことです。
確かめ:1回の裁判で誤った判決が出ても、上級の裁判所で見直す機会があれば、誤りを正すことができます。三審制の目的が「誤りを防ぎ人権を守る」ことと合っています。
問題4
2009年に始まった裁判員制度とは、どのような制度ですか。「刑事裁判」という言葉を使って説明しなさい。また、この制度が導入された目的を答えなさい。
答えと解説を見る
答え:くじで選ばれた国民が裁判員として重大な刑事裁判の第一審に参加し、裁判官といっしょに被告人が有罪か無罪か、有罪ならどのような刑罰にするかを決める制度です。目的は、国民の感覚を裁判に反映させ、司法への理解と信頼を深めることです
考え方:裁判には、犯罪を裁く刑事裁判と、個人や企業の間の争いを解決する民事裁判があります。裁判員制度は、国民が司法に参加するしくみの1つです。
解き方:裁判員制度では、くじで選ばれた国民が裁判員となり、殺人などの重大な刑事裁判の第一審に参加して、裁判官といっしょに有罪・無罪や刑罰の内容を決めます。国民の感覚を裁判に反映させ、司法への理解と信頼を深めることが目的です。
よくあるミス:① 裁判員制度は民事裁判にも参加すると考えるミス。裁判員が参加するのは重大な刑事裁判だけです。② 裁判員が有罪か無罪かだけを決めると考えるミス。有罪の場合は、刑罰の内容も裁判官といっしょに決めます。
確かめ:国民が実際に裁判に参加すれば、法律の専門家だけでなく国民の視点も判決に加わります。国民の感覚を反映させるという目的と、制度の内容が合っています。
問題5
国の権力は、国会(立法権)・内閣(行政権)・裁判所(司法権)に分けられ、たがいに抑制し合っています。次のア〜エは、どこからどこへの働きですか。「国会→裁判所」のように答えなさい。
ア 弾劾裁判所を設置する。
イ 衆議院を解散する。
ウ 法律が憲法に違反していないかを審査する。
エ 最高裁判所の長官を指名する。
答えと解説を見る
答え:アは国会→裁判所、イは内閣→国会、ウは裁判所→国会、エは内閣→裁判所です
考え方:権力を3つに分けて、たがいに抑制と均衡を保つしくみを三権分立といいます。権力が1か所に集中して、国民の自由が侵されるのを防ぐためのしくみです。
解き方:ア の弾劾裁判所は、問題のある裁判官を辞めさせるかどうかを国会が判断するものなので国会→裁判所です。イ の衆議院の解散は内閣→国会です。ウ の違憲審査(違憲立法審査)は、法律について行うので裁判所→国会です。エ の最高裁判所長官の指名は内閣→裁判所です。
よくあるミス:① 違憲審査を「裁判所→内閣」だけと考えるミス。法律の違憲審査は国会に対する働き、命令や処分の違憲審査は内閣に対する働きです。② 最高裁判所長官を内閣が「任命」すると書くミス。内閣は長官を指名し、天皇が任命します。
確かめ:国民も三権に関わっています。国会へは選挙、内閣へは世論、裁判所へは最高裁判所裁判官の国民審査で働きかけます。三権がたがいに、そして国民が三権に働きかけることで、権力の集中を防いでいます。
国会・内閣・裁判所のまとめ表
| 機関 | 主な仕事 | キーワード | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 国会(立法権) | 法律の制定、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名、弾劾裁判所の設置 | 国権の最高機関、唯一の立法機関、衆議院の優越 | 問題1・5 |
| 内閣(行政権) | 法律の執行、予算の作成、条約の締結、最高裁判所長官の指名、衆議院の解散 | 議院内閣制、閣議、総辞職 | 問題2・5 |
| 裁判所(司法権) | 刑事裁判・民事裁判、違憲審査 | 三審制、裁判員制度、憲法の番人(最高裁判所) | 問題3・4・5 |
| 国民 | 選挙、世論、最高裁判所裁判官の国民審査 | 国民主権 | 問題5(解説) |
迷ったときの手順
- まず、問題の働きが「法律をつくる」「法律を実行する」「法律にもとづいて裁く」のどれにあたるかを考える
- 三権分立の向きは、「働きをする側」から「働きを受ける側」へと矢印を書く
- 衆議院と参議院の問題は、任期・解散の有無・優越の例をセットで確かめる
- 裁判の問題は、刑事裁判か民事裁判か、第何審かを最初に確かめる
埼玉の高校受験の全体の流れ(北辰テスト・確約・公立入試の日程)→ 埼玉の高校受験ガイド【2027年度入試】
あわせて読みたい
- ほかの単元の予想問題(5問・解説つき) → 単元別予想問題の一覧
- 前の単元 → 公民 日本国憲法と人権の予想問題
- 公民の基本 → 公民 現代社会の予想問題
- 回ごとの出題範囲 → 北辰テストのテスト範囲
- 5教科の予想問題(PDF) → 北辰テスト 予想問題
- 社会全体の勉強法 → 北辰テスト社会の勉強法
よくある質問
衆議院の優越が認められているのはなぜですか?
衆議院は参議院より任期が短く解散もあるため、国民の意見をより反映しやすいと考えられているからです。
内閣不信任案が可決されるとどうなりますか?
内閣は10日以内に衆議院を解散するか、総辞職しなければなりません。内閣不信任の決議ができるのは衆議院だけです。
三審制の目的は何ですか?
1つの事件について原則として3回まで裁判を受けられるようにして、裁判を慎重に行い、誤りを防いで人権を守ることです。
問題はすべて当サイトのオリジナルです。「北辰テスト」は北辰図書株式会社の商標です。当サイトは北辰図書株式会社・埼玉県教育委員会・各高等学校とは関係のない非公式の学習支援サイトです。
