公民 経済の予想問題5問——需要と供給、日本銀行の国債売買のミスを1問ずつ解説
経済は中3で習う社会(公民)の単元で、消費者の権利、市場と価格、企業のしくみ、金融と日本銀行、財政と税が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。需要量と供給量を逆にしたり、日本銀行が国債を買うか売るかを取りちがえたりして点を落としやすい単元です。消費者保護・価格の決まり方・株式会社・日本銀行・税の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。
- クーリング・オフ制度は一定期間内の無条件の契約解除、製造物責任法(PL法)は欠陥製品の被害の救済
- 価格が均衡価格より高いと供給量が需要量を上回り、価格は下がる
- 株主は配当を受け取り、株主総会に出席できる。責任は出資額まで(有限責任)
- 日本銀行は発券銀行・政府の銀行・銀行の銀行。不景気のときは国債を買う
- 所得税は累進課税の直接税、消費税は逆進性が指摘される間接税
問題(まず自分で解いてみよう)
- 消費者を守るための制度について、次の(1)(2)にあてはまる言葉を答えなさい。
(1)訪問販売などで契約したあと、一定の期間内であれば無条件で契約を取り消すことができる制度。
(2)製品の欠陥によって消費者が被害を受けたとき、製造者の過失を証明しなくても損害賠償を求めることができると定めた法律。 - 市場で、ある商品の価格が需要量と供給量の一致する価格(均衡価格)より高いとき、需要量と供給量の関係はどうなり、その後価格はどう変化すると考えられますか。
- 株式会社について、次の問いに答えなさい。
(1)株式を買って会社に出資した人を何といいますか。
(2)(1)の人が、会社の利潤の一部として受け取るお金を何といいますか。
(3)会社が倒産したとき、(1)の人はどこまで責任を負いますか。 - 日本銀行について、次の問いに答えなさい。
(1)日本銀行の3つの役割を答えなさい。
(2)景気が悪いとき、日本銀行は公開市場操作でどのようなことを行いますか。その目的もあわせて説明しなさい。 - 国の財政について、次の問いに答えなさい。
(1)所得が多い人ほど高い税率を課すしくみを何といいますか。
(2)消費税は、直接税と間接税のどちらにあたりますか。また、消費税にはどのような問題点があると指摘されていますか。
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
消費者を守るための制度について、次の(1)(2)にあてはまる言葉を答えなさい。
(1)訪問販売などで契約したあと、一定の期間内であれば無条件で契約を取り消すことができる制度。
(2)製品の欠陥によって消費者が被害を受けたとき、製造者の過失を証明しなくても損害賠償を求めることができると定めた法律。
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答え:(1)はクーリング・オフ制度、(2)は製造物責任法(PL法)です
考え方:消費者は、売り手(企業)に比べて商品についての知識や情報が少なく、不利な立場になりやすいので、消費者を守るための制度や法律が整えられています。
解き方:(1)訪問販売などで、契約後の一定の期間内なら理由を問わず契約を解除できるのはクーリング・オフ制度です(訪問販売では8日以内)。(2)製品の欠陥による被害について、製造者に過失がなくても賠償の責任を負わせる法律は製造物責任法(PL法)です。
よくあるミス:① クーリング・オフを「どんな買い物でも返品できる制度」と考えるミス。店に自分で行って買った場合など、対象にならない取り引きもあります。② 製造物責任法を消費者契約法と取りちがえるミス。消費者契約法は、事実とちがう説明などで結んだ契約を取り消せると定めた法律です。
確かめ:どちらの制度も、情報や立場の差で不利になりやすい消費者を守るためのものです。(1)は契約、(2)は製品の欠陥による被害にかかわる制度だと区別できます。
問題2
市場で、ある商品の価格が需要量と供給量の一致する価格(均衡価格)より高いとき、需要量と供給量の関係はどうなり、その後価格はどう変化すると考えられますか。
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答え:需要量より供給量のほうが多くなって商品が売れ残るので、価格は下がっていくと考えられます
考え方:市場では、消費者が買おうとする量を需要量、生産者が売ろうとする量を供給量といいます。価格が上がると需要量は減り、供給量は増えます。需要量と供給量が一致するときの価格が均衡価格です。
解き方:価格が均衡価格より高いと、買おうとする人が減る一方で、売ろうとする量は増えるので、供給量が需要量を上回り、商品が売れ残ります。売り手は売れ残りを減らそうとして価格を下げるので、価格は均衡価格に近づくように下がっていきます。
よくあるミス:① 需要量と供給量を逆にするミス。価格が高いとき多くなるのは供給量です。② 需要曲線と供給曲線を取りちがえるミス。グラフで右下がりなのが需要曲線、右上がりなのが供給曲線です。
確かめ:反対に、価格が均衡価格より低いときは、需要量が供給量を上回って品不足になり、価格は上がっていきます。逆の場合と合わせて考えると、価格は均衡価格に向かって動くことが確かめられます。
問題3
株式会社について、次の問いに答えなさい。
(1)株式を買って会社に出資した人を何といいますか。
(2)(1)の人が、会社の利潤の一部として受け取るお金を何といいますか。
(3)会社が倒産したとき、(1)の人はどこまで責任を負いますか。
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答え:(1)は株主、(2)は配当(配当金)です。(3)は出資した金額の範囲で責任を負い、それ以上の負担はありません(有限責任)
考え方:株式会社は、株式を発行して多くの人から資金を集めてつくられる会社です。私企業の代表的な形です。
解き方:(1)株式を買って出資した人は株主です。(2)株主は、会社の利潤の一部を配当(配当金)として受け取ります。(3)会社が倒産しても、株主は出資した金額の範囲で責任を負うだけで、それ以上の負担はありません。これを有限責任といいます。
よくあるミス:① 株主総会を「社長が1人で決める場」と考えるミス。株主総会は株主が出席して、経営の方針や役員の選出などを決める最高の議決機関です。② 有限責任を「責任を負わない」と書くミス。出資したお金は戻らないので、出資額までは責任を負います。
確かめ:株主の責任が出資額までに限られているので、多くの人が安心して株式を買うことができ、会社は大きな資金を集めやすくなります。株式会社のしくみの目的と合っています。
問題4
日本銀行について、次の問いに答えなさい。
(1)日本銀行の3つの役割を答えなさい。
(2)景気が悪いとき、日本銀行は公開市場操作でどのようなことを行いますか。その目的もあわせて説明しなさい。
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答え:(1)は発券銀行、政府の銀行、銀行の銀行の3つです。(2)は銀行から国債などを買い、銀行が貸し出しに使えるお金を増やして、企業などがお金を借りやすくし、景気を回復させようとします
考え方:日本銀行は日本の中央銀行で、物価や景気を安定させるために金融政策を行います。その中心が公開市場操作です。
解き方:(1)紙幣(日本銀行券)を発行する発券銀行、政府のお金を預かり出し入れする政府の銀行、一般の銀行に資金を貸し出したり預金を受け入れたりする銀行の銀行の3つです。(2)不景気のときは、日本銀行が銀行から国債などを買い、代金を支払うことで銀行の資金を増やします。銀行は貸し出しを増やそうとして金利を下げるので、企業がお金を借りやすくなり、景気の回復につながります。
よくあるミス:① 不景気のときに「国債を売る」と書くミス。国債を売るのは景気が過熱しているときで、銀行の資金を減らします。② 日本銀行が個人や一般の企業と直接取り引きすると考えるミス。日本銀行の取り引きの相手は、政府や銀行です。
確かめ:不景気のときに必要なのは、世の中に出回るお金を増やすことです。日本銀行が国債を買えば代金が銀行に渡るので、お金の量が増える方向に働くことが確かめられます。
問題5
国の財政について、次の問いに答えなさい。
(1)所得が多い人ほど高い税率を課すしくみを何といいますか。
(2)消費税は、直接税と間接税のどちらにあたりますか。また、消費税にはどのような問題点があると指摘されていますか。
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答え:(1)は累進課税です。(2)は間接税で、所得の低い人ほど所得にしめる税の負担の割合が高くなる(逆進性がある)という問題点が指摘されています
考え方:税は、納める人と負担する人が同じ直接税(所得税・法人税など)と、納める人と負担する人がちがう間接税(消費税など)に分けられます。
解き方:(1)所得税などで、所得が多い人ほど高い税率を課すしくみは累進課税で、所得の格差を小さくするはたらきがあります。(2)消費税は、商品を買った消費者が負担し、店などが納めるので間接税です。所得に関係なく同じ税率がかかるため、所得の低い人ほど、所得にしめる税の負担の割合が高くなるという問題点(逆進性)があります。
よくあるミス:① 消費税を「消費者が納めるから直接税」と考えるミス。消費者は負担しますが、税務署に納めるのは店などの事業者なので間接税です。② 累進課税を消費税のしくみと取りちがえるミス。累進課税がとられているのは所得税などです。
確かめ:同じ買い物をすれば、だれでも同じ額の消費税を払います。所得の少ない人にとってはその額の重みが大きくなるので、逆進性という問題点と合っています。
経済のまとめ表
| 項目 | 内容 | キーワード | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 消費者の保護 | クーリング・オフ制度、製造物責任法、消費者契約法 | 消費者基本法、消費者庁 | 問題1 |
| 市場と価格 | 需要量と供給量が一致するときの価格が均衡価格 | 需要曲線(右下がり)、供給曲線(右上がり) | 問題2 |
| 企業 | 株式会社は株式を発行して資金を集める | 株主、配当、株主総会、有限責任 | 問題3 |
| 金融 | 日本銀行は発券銀行・政府の銀行・銀行の銀行 | 公開市場操作、国債の売買 | 問題4 |
| 財政と税 | 直接税(所得税など)と間接税(消費税など) | 累進課税、逆進性 | 問題5 |
迷ったときの手順
- 価格の問題は、まず「価格が均衡価格より高いか低いか」を確かめる
- 高いなら売れ残り(供給量が多い)で価格は下がる、低いなら品不足(需要量が多い)で価格は上がると考える
- 日本銀行の問題は、「世の中のお金を増やしたいか減らしたいか」を先に決める。増やしたいなら国債を買う
- 税の問題は、「納める人と負担する人が同じか」で直接税と間接税を分ける
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よくある質問
クーリング・オフ制度とは何ですか?
訪問販売などで契約したあと、一定の期間内であれば無条件で契約を取り消すことができる制度です。
日本銀行は不景気のときに何をしますか?
公開市場操作で銀行から国債などを買い、銀行の資金を増やします。銀行が貸し出しを増やしやすくなり、景気の回復につながります。
消費税の逆進性とは何ですか?
所得に関係なく同じ税率がかかるため、所得の低い人ほど所得にしめる税の負担の割合が高くなることです。
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