予想問題・国語

国語 漢文の予想問題5問——返り点と書き下し文を1問ずつ解説

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漢文は、返り点のきまりと書き下し文の書き方を覚えれば、短い時間で確実に点にしやすい分野です。レ点・一二点・上下点の読む順番、置き字、助詞・助動詞をひらがなにするきまりを5問にしぼり、まちがえやすいところを1問ずつ解説しました。例文は『論語』の一節と、この記事のための自作の文です。古文のきまりは → 古文の予想問題。

この5問でおさえるポイント
  • レ点:すぐ下の1字を読んでから、1字だけ返る
  • 一・二点:2字以上はなれた字に返る(一点まで読んだら二点へ)
  • 上・下点:一・二点をはさんでさらに返る(一・二点が先、上・下点があと)
  • 「而」などの置き字は、書き下し文では読まない
  • 助詞・助動詞にあたる字(不=ず、乎=や など)は、書き下し文ではひらがなで書く

問題(まず自分で解いてみよう)

  1. 次の(1)(2)は自作の漢文です(小さい字は返り点)。読む順に漢字を並べ、書き下し文に直しなさい。
    (1)読レ書
    (2)不レ知
  2. 次の自作の漢文を、読む順に漢字を並べ、書き下し文に直しなさい(小さい字は返り点)。
    登二富士山一
  3. 次の文は『論語』(為政編)の一節です(小さい字は返り点)。読む順に漢字を並べ、読まない字を1字答えなさい。
    温レ故而知レ新
  4. 次の文は『論語』(学而編)の一節です(小さい字は返り点)。書き下し文に直すとき、「不」と「乎」はどのように書きますか。また、読む順に漢字を並べなさい。
    不二亦説一乎
  5. 次の自作の漢文を、読む順に漢字を並べ、書き下し文に直しなさい(小さい字は返り点)。
    有下読二書一者上

目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。

答えと解説

問題1

次の(1)(2)は自作の漢文です(小さい字は返り点)。読む順に漢字を並べ、書き下し文に直しなさい。
(1)読レ書
(2)不レ知

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答え:(1)は「書→読」の順に読み、書き下し文は「書を読む」です。(2)は「知→不」の順に読み、書き下し文は「知らず」です

考え方:レ点は、すぐ下の1字を先に読んでから、レ点のついた字に1字だけ返って読む印です。

解き方:(1)「読」にレ点があるので、下の「書」を先に読み、「読」に返ります。日本語の順にすると書を読むです。(2)「不」にレ点があるので、下の「知」を先に読み、「不」に返ります。「不」は打ち消しの「ず」と読むので知らずです。

よくあるミス:① 上から順に「読書」「不知」と読んでしまうミス。返り点がある字はいったん飛ばして、下の字を先に読みます。② (2)を「知ら不」と漢字のまま書くミス。打ち消しの「不」は、書き下し文ではひらがなの「ず」にします。

確かめ:書き下し文の「書を読む」「知らず」は、ふつうの日本語の語順(目的語が先で、動詞があと)になっています。日本語として自然に読めれば、返る順番が合っていると確かめられます。

問題2

次の自作の漢文を、読む順に漢字を並べ、書き下し文に直しなさい(小さい字は返り点)。
登二富士山一

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答え:読む順は「富士山→登」で、書き下し文は「富士山に登る」です

考え方:一・二点は、2字以上はなれた字に返るときに使います。一点のついた字まで読んだら、二点のついた字に返ります。

解き方:「登」に二点があるので飛ばし、「富士山」を読みます。一点は熟語「富士山」の最後の字「山」についているので、「富士山」を読み終えたところで二点の「登」に返ります。書き下し文は富士山に登るです。

よくあるミス:① 一点がついた「山」だけを読んで返り、「富士」を読み落とすミス。熟語に返り点がつくときは、熟語の最後の字に返り点を書くきまりなので、熟語はまとめて読みます。② レ点と同じように1字だけ返ると考えるミス。一・二点は何字はなれていても返ることができます。

確かめ:返る前に読んだ字は「富士山」の3字で、レ点では1字しか返れないため、一・二点が使われていると分かります。書き下し文が「〜に登る」という自然な日本語になることでも確かめられます。

問題3

次の文は『論語』(為政編)の一節です(小さい字は返り点)。読む順に漢字を並べ、読まない字を1字答えなさい。
温レ故而知レ新

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答え:読む順は「故→温→新→知」で、読まない字は「而」です。書き下し文は「故きを温めて新しきを知る」になります

考え方:漢文には、意味の上ではつなぎの働きをしても、書き下し文では読まない字があります。これを置き字といい、「而」はその代表です。

解き方:「温」にレ点があるので「故」を先に読み、「温」に返ります。次の「而」は置き字なので読みません。「知」にもレ点があるので「新」を先に読み、「知」に返ります。読む順は故→温→新→知で、書き下し文は故きを温めて新しきを知るです。

よくあるミス:① 「而」を「しかして」などと読んで書き下し文に入れるミス。この文の「而」は置き字で、前後をつなぐ働きは送り仮名の「て」で表します。② 2か所のレ点を、まとめて最後に返ると考えるミス。レ点はそれぞれのすぐ下の1字から返ります。

確かめ:書き下し文「故きを温めて新しきを知る」に使われている漢字は「故・温・新・知」の4字で、「而」は入っていません。問題の文の漢字のうち、書き下し文に出てこない字が置き字だと確かめられます。

問題4

次の文は『論語』(学而編)の一節です(小さい字は返り点)。書き下し文に直すとき、「不」と「乎」はどのように書きますか。また、読む順に漢字を並べなさい。
不二亦説一乎

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答え:「不」はひらがなの「ず」、「乎」はひらがなの「や」と書きます。読む順は「亦→説→不→乎」で、書き下し文は「亦説ばしからずや」です

考え方:書き下し文では、日本語の助詞・助動詞にあたる漢字はひらがなで書きます。打ち消しの「不(ず)」や、疑問・詠嘆を表す「乎(や)」がその例です。

解き方:「不」に二点があるので飛ばし、「亦」「説」と読みます。一点のついた「説」まで読んだら二点の「不」に返り、最後に「乎」を読みます。読む順は亦→説→不→乎です。「不」と「乎」をひらがなにして、亦説ばしからずやとなります。

よくあるミス:① 「亦説ばしから不乎」のように漢字のまま書くミス。助動詞の「不」、助詞の「乎」はひらがなにします。② 返ったあと「乎」を読み落とすミス。返り点で返ったあとは、まだ読んでいない下の字へ進みます。

確かめ:問題の4字はすべて一度ずつ読まれていて、読む順に「亦・説・不・乎」と並べると書き下し文「亦説ばしからずや」の字の順と同じになります。字の数と順番が合っていることで確かめられます。

問題5

次の自作の漢文を、読む順に漢字を並べ、書き下し文に直しなさい(小さい字は返り点)。
有下読二書一者上

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答え:読む順は「書→読→者→有」で、書き下し文は「書を読む者有り」です

考え方:上・下点は、一・二点をはさんで、さらに上の字に返るときに使います。一・二点を先に処理し、そのあと上点→下点の順に返ります。

解き方:「有」(下点)と「読」(二点)は飛ばし、まず一点の「書」を読みます。次に二点の「読」に返ります。続いて上点のついた「者」を読み、最後に下点の「有」に返ります。読む順は書→読→者→有、書き下し文は書を読む者有りです。

よくあるミス:① 二点の「読」に返ったあと、すぐ下点の「有」に返ってしまうミス。上点の「者」を先に読んでから下点に返ります。② 上・下点と一・二点の順番を逆に考えるミス。内側の一・二点が先、外側の上・下点があとです。

確かめ:「書を読む」という一まとまりが「者」をくわしくし、さらに「〜者有り」と文が終わっています。「書を読む者」が「有り」の主語になっていて、日本語として意味が通ることで確かめられます。

漢文のまとめ表

きまり働き例(読む順)この記事の問題
レ点下の1字を読んで1字返る読レ書(書→読)問題1・3
一・二点2字以上はなれて返る登二富士山一(富士山→登)問題2・4
上・下点一・二点をはさんで返る有下読二書一者上(書→読→者→有)問題5
置き字書き下し文では読まない温レ故而知レ新 の「而」問題3
ひらがなにする字助詞・助動詞にあたる字不(ず)・乎(や)問題1・4

迷ったときの手順

  1. 上から順に見て、返り点のない字はそのまま読み、返り点のある字はいったん飛ばす
  2. レ点の字は、すぐ下の1字を読んだらすぐに返って読む
  3. 一点の字まで読んだら二点の字に返り、二点のあとに上点があれば上点→下点の順に返る
  4. 返ったあとは、まだ読んでいない下の字へ進む
  5. 書き下し文にするときは、置き字を除き、助詞・助動詞にあたる字をひらがなに直す

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よくある質問

レ点と一・二点はどう使い分けますか?

すぐ下の1字から1字だけ返るときはレ点、2字以上はなれた字に返るときは一・二点を使います。

置き字とは何ですか?

「而」などのように、漢文の中にあっても書き下し文では読まない字のことです。働きは送り仮名などで表します。

書き下し文でひらがなにするのはどの字ですか?

日本語の助詞・助動詞にあたる字です。打ち消しの「不(ず)」、疑問や詠嘆の「乎(や)」などがその例です。

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