国語 古文の予想問題5問——歴史的仮名遣いと係り結びを1問ずつ解説
古文は、決まった規則を覚えれば点にしやすい分野です。歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す規則と、係り結びの決まりを5問にしぼり、まちがえやすいところを1問ずつ解説しました。例文は『竹取物語』『枕草子』『徒然草』の冒頭の一節と、この記事のための自作の文です。敬語の見分け方は → 敬語の予想問題。
- 語の頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に直す
- 「ぢ・づ」は「じ・ず」、「ゐ・ゑ・を」は「い・え・お」に直す
- 母音が続く「au・iu・eu」は「ô・yû・yô」と読む(やう→よう、しう→しゅう、てふ→ちょう)
- 係り結び:「ぞ・なむ・や・か」は文末が連体形、「こそ」は已然形
- 「ぞ・なむ・こそ」は強調、「や・か」は疑問・反語
問題(まず自分で解いてみよう)
- 次の文は『竹取物語』の冒頭です。線の部分を現代仮名遣いに直し、すべてひらがなで書きなさい。
今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 - 次の(1)〜(3)を現代仮名遣いに直し、すべてひらがなで書きなさい。
(1)やうやう(『枕草子』の「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは」より)
(2)てふてふ
(3)うつくしう - 次の文は『徒然草』の序段です。この文の中から係り結びになっている部分を探し、係りの助詞と、結びの語を答えなさい。また、結びの語の活用形を答えなさい。
つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 - 次の(1)(2)は、係り結びを使った自作の古文です。線の部分の係りの助詞が表す意味を、強調・疑問のどちらかで答えなさい。
(1)山の桜ぞいとめでたき。
(2)いづれの山か高き。 - 次の(1)(2)の自作の古文の( )に、あてはまる形を入れなさい。
(1)月ぞいと( )。〔美し〕
(2)月こそいと( )。〔美し〕
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
次の文は『竹取物語』の冒頭です。線の部分を現代仮名遣いに直し、すべてひらがなで書きなさい。
今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
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答え:「いふ」は「いう」、「よろづ」は「よろず」、「使ひ」は「つかい」と直します
考え方:歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すときは、決まった規則にあてはめます。語の頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に、「ぢ・づ」は「じ・ず」に直します。
解き方:「いふ」は語の頭ではない「ふ」を「う」にしていうです。「よろづ」は「づ」を「ず」にしてよろずです。「使ひ」は語の頭ではない「ひ」を「い」にしてつかいです。
よくあるミス:① 語の頭の「は・ひ・ふ」まで直してしまうミス。「春(はる)」「人(ひと)」のように、語の頭のハ行はそのままです。② 「いふ」を「いゆ」や「ゆう」と書くミス。「ふ」は「う」に直すので「いう」です。
確かめ:直した「いう」「よろず」「つかい」は、どれも今の言葉として読んで意味が通ります。直したあとに声に出して読み、自然な言葉になっているかで確かめられます。
問題2
次の(1)〜(3)を現代仮名遣いに直し、すべてひらがなで書きなさい。
(1)やうやう(『枕草子』の「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは」より)
(2)てふてふ
(3)うつくしう
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答え:(1)は「ようよう」、(2)は「ちょうちょう」、(3)は「うつくしゅう」です
考え方:母音が続く部分は、発音に合わせて直します。「au」は「ô(おう)」、「iu」は「yû(ゆう)」、「eu」は「yô(よう)」と読むのが規則です。
解き方:(1)「やう」は「ya+u」で「au」の形なので「よう」になり、ようようです。(2)「てふ」は、まず「ふ」を「う」にして「てう」とし、「teu」の形なので「ちょう」になり、ちょうちょうです。(3)「しう」は「si+u」で「iu」の形なので「しゅう」になり、うつくしゅうです。
よくあるミス:① 「やうやう」を「やうやう」のまま、または「ようやう」と半分だけ直すミス。同じ形が続くときは、両方とも直します。② 「てふ」を「てう」で止めるミス。「ふ」を「う」に直したあと、さらに「eu」→「yô」の規則をあてはめます。
確かめ:「ようよう(だんだん)」「ちょうちょう(蝶)」「うつくしゅう(かわいらしく)」と、今の言葉として意味がわかる形になっています。規則を2段階であてはめても、意味の通る言葉になることで確かめられます。
問題3
次の文は『徒然草』の序段です。この文の中から係り結びになっている部分を探し、係りの助詞と、結びの語を答えなさい。また、結びの語の活用形を答えなさい。
つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
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答え:係りの助詞は「こそ」、結びの語は「ものぐるほしけれ」で、活用形は已然形です
考え方:文の中に「ぞ・なむ・や・か」があると文末は連体形、「こそ」があると文末は已然形になります。この決まりを係り結びといいます。
解き方:文の終わりの部分に「あやしうこそものぐるほしけれ」とあります。係りの助詞はこそで、結びの語は文末のものぐるほしけれです。「こそ」の結びなので、活用形は已然形です(言い切りの形は「ものぐるほし」)。
よくあるミス:① 「こそ」の結びを連体形と答えるミス。「ぞ・なむ・や・か」は連体形ですが、「こそ」だけは已然形です。② 結びの語を「けれ」だけと答えるミス。結びの語は文末の1語「ものぐるほしけれ」全体です。
確かめ:係り結びがなければ、文末は言い切りの形の「ものぐるほし」になるはずです。それが「ものぐるほしけれ」と形を変えているので、「こそ」による係り結びだと確かめられます。
問題4
次の(1)(2)は、係り結びを使った自作の古文です。線の部分の係りの助詞が表す意味を、強調・疑問のどちらかで答えなさい。
(1)山の桜ぞいとめでたき。
(2)いづれの山か高き。
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答え:(1)は強調、(2)は疑問です
考え方:係りの助詞のうち、「ぞ・なむ・こそ」は強調、「や・か」は疑問(または反語)の意味を表します。
解き方:(1)「ぞ」は強調で、「山の桜がとてもすばらしい」ということを強めて言っています。(2)「か」は疑問で、「どの山が高いのか」とたずねています。文末は、どちらも連体形(めでたき・高き)です。
よくあるミス:① 係り結びは全部「強調」だと覚えるミス。「や・か」は疑問・反語を表します。② 現代語訳で「ぞ」を「〜ぞ」と訳してしまうミス。強調の「ぞ」は、ふつうは訳に表さず、意味を強めて読み取ります。
確かめ:(2)は「いづれの(どの)」という、たずねる言葉といっしょに使われています。疑問の言葉と「か」がそろっていることから、疑問の意味だと確かめられます。
問題5
次の(1)(2)の自作の古文の( )に、あてはまる形を入れなさい。
(1)月ぞいと( )。〔美し〕
(2)月こそいと( )。〔美し〕
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答え:(1)は連体形の「美しき」、(2)は已然形の「美しけれ」が入ります
考え方:係り結びでは、係りの助詞によって文末の活用形が決まります。「ぞ」なら連体形、「こそ」なら已然形です。
解き方:「美し」は形容詞で、連体形は美しき、已然形は美しけれです。(1)は「ぞ」があるので連体形の美しき、(2)は「こそ」があるので已然形の美しけれを入れます。
よくあるミス:① 言い切りの形の「美し」をそのまま入れるミス。係りの助詞があるときは、文末の形が変わります。② (1)と(2)を逆にするミス。「こそ〜已然形」は、「こそ」と已然形の「〜けれ」を組にして覚えると取りちがえにくくなります。
確かめ:「ぞ」の結びは(4)の問題の「めでたき」「高き」と同じ「〜き」の形、「こそ」の結びは『徒然草』の「ものぐるほしけれ」と同じ「〜けれ」の形になっています。ほかの文の結びと形が合っていることで確かめられます。
古文のまとめ表
| きまり | 古文の書き方 | 現代仮名遣い・働き | この記事の問題 |
|---|---|---|---|
| 語の頭以外のハ行 | いふ・使ひ・あはれ | いう・使い・あわれ | 問題1 |
| ぢ・づ・ゐ・ゑ・を | よろづ・ゐる・こゑ | よろず・いる・こえ | 問題1 |
| 母音が続く形 | やうやう・うつくしう・てふてふ | ようよう・うつくしゅう・ちょうちょう | 問題2 |
| ぞ・なむ | 文末は連体形 | 強調 | 問題4・5 |
| や・か | 文末は連体形 | 疑問・反語 | 問題4 |
| こそ | 文末は已然形 | 強調 | 問題3・5 |
迷ったときの手順
- 仮名遣いの問題では、まず語の頭かどうかを確かめ、語の頭以外のハ行をワ行の音に直す
- 「ぢ・づ・ゐ・ゑ・を」がないかを見て、「じ・ず・い・え・お」に直す
- 母音が二つ続く部分(au・iu・eu)は、声に出して読みやすい音(ô・yû・yô)に直す
- 係り結びの問題では、文の中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」があるかを先にさがす
- 「こそ」なら文末は已然形、それ以外なら連体形にそろえ、意味が強調か疑問かを決める
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- 前の単元 → 国語 敬語の予想問題
- 文法 → 国語 文法 助詞・助動詞の識別の予想問題
- 国語全体の勉強法 → 北辰テスト国語の勉強法
- 国語の勉強のよくある質問 → 中学国語の勉強法 よくある質問
- 5教科の予想問題(PDF) → 北辰テスト 予想問題
よくある質問
歴史的仮名遣いで「は・ひ・ふ・へ・ほ」をいつも直してよいですか?
語の頭にあるときは直しません。「はな(花)」はそのまま「はな」です。語の頭以外にあるときだけ「わ・い・う・え・お」に直します。
係り結びの「結び」とは何ですか?
「ぞ・なむ・や・か・こそ」が文中にあるとき、文末の言葉の形が変わることです。「ぞ・なむ・や・か」なら連体形、「こそ」なら已然形になります。
「てふ」はなぜ「ちょう」と読むのですか?
「ふ」を「う」に直すと「てう」になり、「eu」と母音が続く形は「yô」と読むので「ちょう」になります。二段階で直すと分かりやすくなります。
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