予想問題・理科

電流と磁界の予想問題5問——向きを決める2つの条件のミスを1問ずつ解説

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電流と磁界は中2で習う理科の単元で、電流がつくる磁界の向き、磁界の中で電流が受ける力、電磁誘導、直流と交流が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。向きを決める条件が2つずつあり、「どちらを逆にしたか」を数えまちがえて点を落としやすい単元です。磁界の向き・電流が受ける力・電流の大きさ・電磁誘導・交流の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。計算の答えは検算済みです。

この5問でおさえるポイント
  • まっすぐな導線のまわりの磁界は同心円状で、向きは右ねじの法則で決まる
  • 電流が磁界から受ける力の向きは「電流の向き」と「磁界の向き」で決まる
  • 電流を大きくする・磁石を強くすると、力の大きさだけが大きくなる
  • 誘導電流は磁界が変化しているあいだだけ流れる
  • 交流の向きが変わる回数は、1秒間に周波数の2倍

問題(まず自分で解いてみよう)

  1. まっすぐな導線を机に垂直に立て、下から上へ向かって電流を流しました。このとき、導線のまわりにできる磁界の向きは、真上から見て時計回りですか、反時計回りですか。また、導線の真南に置いた方位磁針のN極はどの方位を指しますか。ただし、地球の磁界の影響は考えないものとします。
  2. U字形磁石の間にコイルをつるして電流を流したところ、コイルは手前に動きました。次のア〜エのうち、コイルが奥に動くものをすべて選びなさい。
    ア 電流の向きだけを逆にする。
    イ 磁石のN極とS極の位置だけを入れかえる。
    ウ 電流の向きを逆にし、さらに磁石のN極とS極も入れかえる。
    エ 電流の向きも磁石も変えず、電流を大きくする。
  3. 問題2の装置で、6.0Vの電源と20Ωの抵抗をコイルに直列につないで電流を流しました。抵抗を10Ωのものにかえると、コイルに流れる電流は何Aになり、もとの何倍になりますか。また、コイルの動きは大きくなりますか、小さくなりますか。ただし、コイルの抵抗は考えないものとします。
  4. コイルに検流計をつなぎ、棒磁石のN極を上からコイルに近づけたところ、検流計の針は右に振れました。次のア〜エのとき、針は右・左のどちらに振れますか。振れないときは「振れない」と答えなさい。
    ア N極をコイルから上へ遠ざける。
    イ S極を上からコイルに近づける。
    ウ S極をコイルから上へ遠ざける。
    エ N極をコイルの中に入れたまま止めておく。
  5. 周波数が50Hzの交流では、電流の向きは1秒間に何回変わりますか。また、直流と交流のちがいを、電流の向きに注目して説明しなさい。

目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。

答えと解説

問題1

まっすぐな導線を机に垂直に立て、下から上へ向かって電流を流しました。このとき、導線のまわりにできる磁界の向きは、真上から見て時計回りですか、反時計回りですか。また、導線の真南に置いた方位磁針のN極はどの方位を指しますか。ただし、地球の磁界の影響は考えないものとします。

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答え:磁界の向きは反時計回りで、方位磁針のN極は東を指します

考え方:まっすぐな導線を流れる電流のまわりには、導線を中心とした同心円状の磁界ができます。向きは右ねじの法則で決まり、右ねじが進む向きに電流を流すと、ねじを回す向きが磁界の向きになります。

解き方:電流は下から上、つまり真上から見ている自分に向かって流れています。右手の親指を自分のほうへ向けて残りの指をにぎると、指は反時計回りに回ります。導線の真南の点で反時計回りの向きをたどると、西から東へ進む向きになるので、N極は東を指します。

よくあるミス:① 見る向きを取りちがえるミス。電流が「向こうへ遠ざかる」ときは時計回り、「こちらへ向かってくる」ときは反時計回りに見えます。どちらから見ているかを最初に決めましょう。② 方位磁針のN極が導線のほうを指すと考えるミス。N極は磁界の向き、つまり円の接線の向きを指します。

確かめ:電流の向きを上から下に変えると、磁界は時計回りになり、真南の方位磁針のN極は西を指します。電流の向きを逆にすると磁界の向きも逆になる、というきまりと合っています。

問題2

U字形磁石の間にコイルをつるして電流を流したところ、コイルは手前に動きました。次のア〜エのうち、コイルが奥に動くものをすべて選びなさい。
ア 電流の向きだけを逆にする。
イ 磁石のN極とS極の位置だけを入れかえる。
ウ 電流の向きを逆にし、さらに磁石のN極とS極も入れかえる。
エ 電流の向きも磁石も変えず、電流を大きくする。

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答え:アとイです

考え方:磁界の中を流れる電流は、磁界から力を受けます。力の向きは、電流の向きと磁界の向きの2つで決まり、どちらか一方を逆にすると力の向きも逆になります。

解き方:ア は電流だけが逆なので、力は逆で奥に動きます。イ は磁界だけが逆なので、これも奥に動きます。ウ は両方を逆にしているので、逆の逆でもとの向きにもどり、手前に動きます。エ は向きを変えていないので手前に動き、動き方が大きくなるだけです。答えはアとイです。

よくあるミス:① ウ も「逆にしたから奥」と選んでしまうミス。2つとも逆にすると、力の向きはもとにもどります。② エ で電流を大きくすると向きも変わると考えるミス。電流の大きさや磁石の強さは、力の大きさを変えるだけで、向きは変えません。

確かめ:向きを決めるのは「電流の向き」と「磁界の向き」の2つだけです。逆にした数が1つなら逆向き、2つならもとの向き、0なら同じ向き、と数えるとまちがえにくくなります。

問題3

問題2の装置で、6.0Vの電源と20Ωの抵抗をコイルに直列につないで電流を流しました。抵抗を10Ωのものにかえると、コイルに流れる電流は何Aになり、もとの何倍になりますか。また、コイルの動きは大きくなりますか、小さくなりますか。ただし、コイルの抵抗は考えないものとします。

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答え:電流は0.3Aから0.6Aになり、もとの2倍です。コイルの動きは大きくなります

考え方:電流はオームの法則で、電圧を抵抗でわって求めます。電流が磁界から受ける力は、電流が大きいほど大きくなります。

解き方:20Ωのときの電流は、6.0Vを20Ωでわって0.3Aです。10Ωにかえると、6.0Vを10Ωでわって0.6Aになります。0.6Aは0.3Aの2倍なので、コイルが受ける力も大きくなり、動きは大きくなります。

よくあるミス:① 抵抗が小さくなると電流も小さくなると考えるミス。電圧が同じなら、抵抗が小さいほど電流は大きくなります。② 抵抗を変えるとコイルの動く向きも変わると考えるミス。抵抗を変えても電流の向きは変わらないので、動く向きは同じで、大きさだけが変わります。

確かめ:10Ωに0.6Aが流れるとき、電圧は10の5分の3で6.0Vになり、電源の電圧と一致します。抵抗が半分になると電流が2倍になる、という関係とも合っています。

問題4

コイルに検流計をつなぎ、棒磁石のN極を上からコイルに近づけたところ、検流計の針は右に振れました。次のア〜エのとき、針は右・左のどちらに振れますか。振れないときは「振れない」と答えなさい。
ア N極をコイルから上へ遠ざける。
イ S極を上からコイルに近づける。
ウ S極をコイルから上へ遠ざける。
エ N極をコイルの中に入れたまま止めておく。

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答え:アは左、イは左、ウは右、エは振れません

考え方:コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れます。これを電磁誘導といい、流れる電流を誘導電流といいます。誘導電流の向きは、「磁石の極」と「近づけるか遠ざけるか」の2つで決まり、どちらか一方を逆にすると向きも逆になります。

解き方:基準は「N極を近づける → 右」です。ア は近づける→遠ざけるの1つだけが逆なので左。イ は極だけが逆なので左。ウ は極も動かし方も逆なので、もとにもどって右。エ は磁石が動いておらず、コイルの中の磁界が変化しないので振れません。

よくあるミス:① エ で「磁石がコイルの中にあるから電流が流れる」と考えるミス。誘導電流が流れるのは磁界が変化しているあいだだけです。磁石があるだけでは流れません。② ウ を「S極で、しかも遠ざけるから左」と考えるミス。逆にしたものが2つあると、向きはもとにもどります。

確かめ:問題2の「電流が磁界から受ける力」と同じく、逆にした数が1つなら逆向き、2つならもとの向きになっています。

問題5

周波数が50Hzの交流では、電流の向きは1秒間に何回変わりますか。また、直流と交流のちがいを、電流の向きに注目して説明しなさい。

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答え:100回変わります。直流は電流の向きが一定で変わりませんが、交流は電流の向きが周期的に変わります

考え方:周波数(Hz)は、交流の変化が1秒間にくり返される回数です。1回のくり返しの中で、電流は「一方の向き」と「逆の向き」を1回ずつ流れるので、向きが変わるのは1回のくり返しで2回です。

解き方:50Hzなら1秒間に50回くり返すので、向きが変わる回数は50回の2倍で100回です。乾電池のように向きが変わらない電流が直流、家庭のコンセントのように向きが周期的に変わる電流が交流です。

よくあるミス:① 周波数の50Hzをそのまま「50回」と答えるミス。50Hzは「くり返しの回数」で、向きの変わる回数はその2倍です。② 交流は電流の大きさだけが変わると考えるミス。交流では電流の向きも変わり続けます。

確かめ:発光ダイオードは決まった向きにしか電流を流さないので、交流につなぐと、ついたり消えたりをすばやくくり返します。直流につなぐと、つき続けます。向きが変わるかどうかのちがいと合っています。

電流と磁界の3つのきまりのまとめ表

きまり向きを決めるもの大きさを大きくするにはこの記事の問題
電流がつくる磁界電流の向き(右ねじの法則)電流を大きくする、導線に近づく、コイルの巻数をふやす問題1
電流が磁界から受ける力電流の向きと磁界の向き電流を大きくする、磁石を強くする問題2・3
電磁誘導(誘導電流)磁石の極と、近づけるか遠ざけるか磁石を速く動かす、磁石を強くする、コイルの巻数をふやす問題4
直流と交流直流は向きが一定、交流は向きが周期的に変わる(1秒間のくり返しの回数が周波数)問題5

迷ったときの手順

  1. どのきまり(磁界・力・電磁誘導)の問題かを最初に決める
  2. 基準になる実験の結果(どちらに動いた・振れたか)を書き出す
  3. 基準とくらべて、向きを決める2つの条件のうち、逆にしたものの数を数える(1つなら逆向き、2つならもとの向き)
  4. 電流の大きさや磁石の強さ、巻数は「大きさ」だけを変え、向きは変えないことを確かめる

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よくある質問

右ねじの法則とは何ですか?

まっすぐな導線に電流を流したとき、右ねじが進む向きに電流を流すと、ねじを回す向きに磁界ができる、というきまりです。電流がこちらへ向かってくるように見ると、磁界は反時計回りになります。

電流が磁界から受ける力の向きを逆にするにはどうしますか?

電流の向きか磁界の向きのどちらか一方を逆にします。両方を逆にすると、力の向きはもとにもどります。

誘導電流を大きくするにはどうすればよいですか?

磁石を速く動かす、磁石を強くする、コイルの巻数をふやす、の3つが基本です。磁石を止めると磁界が変化しないので、誘導電流は流れません。

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