予想問題・理科

酸・アルカリと中和の予想問題5問——指示薬の色と中和の計算のミスを1問ずつ解説

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酸・アルカリと中和は中3で習う理科の単元で、指示薬の色、酸とアルカリのもとになるイオン、中和の体積の比の計算、中和でできる塩、中和のときのイオンの数の変化が問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。指示薬の色を取りちがえたり、「中和=中性」と考えたりして点を落としやすい単元です。指示薬・イオンの移動・体積の比・塩・イオンの数の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。計算の答えは検算済みです。

この5問でおさえるポイント
  • BTB溶液は酸性で黄、中性で緑、アルカリ性で青。フェノールフタレイン溶液はアルカリ性で赤
  • 酸性のもとは水素イオン、アルカリ性のもとは水酸化物イオン
  • ちょうど中性になる体積の比は一定。あまったほうの性質が残る
  • 中和では水と塩ができる。硫酸と水酸化バリウムでは白い沈殿
  • 中性までは水素イオンが減り、イオンの総数は変わらない

問題(まず自分で解いてみよう)

  1. 3つの水溶液A・B・Cに、それぞれBTB溶液とフェノールフタレイン溶液を加えました。Aは、BTB溶液で黄色、フェノールフタレイン溶液で無色でした。Bは、BTB溶液で青色、フェノールフタレイン溶液で赤色でした。Cは、BTB溶液で緑色でした。A・B・Cはそれぞれ酸性・中性・アルカリ性のどれですか。
  2. うすい水酸化ナトリウム水溶液をしみこませた糸を、食塩水でしめらせた赤色リトマス紙の中央に置き、両はしに電圧を加えました。リトマス紙が青色に変わった部分は、陽極と陰極のどちらへ移動しますか。また、青色に変えたイオンの名前と化学式を答えなさい。
  3. ある濃さの塩酸10cm³に、ある濃さの水酸化ナトリウム水溶液を加えていくと、15cm³加えたところでちょうど中性になりました。同じ塩酸30cm³をちょうど中性にするには、この水酸化ナトリウム水溶液が何cm³必要ですか。また、同じ塩酸10cm³にこの水酸化ナトリウム水溶液を20cm³加えると、混ぜた液にBTB溶液を加えたときの色は何色になりますか。
  4. 次の①・②の中和で、水のほかにできる塩(えん)の名前を答えなさい。また、②では液のようすにどのような変化が見られますか。
    ① 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液
    ② うすい硫酸と水酸化バリウム水溶液
  5. 塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加え、ちょうど中性になったあとも、さらに加え続けました。このとき、液の中の水素イオンの数と、液の中のイオンの総数は、それぞれどのように変化しますか。

目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。

答えと解説

問題1

3つの水溶液A・B・Cに、それぞれBTB溶液とフェノールフタレイン溶液を加えました。Aは、BTB溶液で黄色、フェノールフタレイン溶液で無色でした。Bは、BTB溶液で青色、フェノールフタレイン溶液で赤色でした。Cは、BTB溶液で緑色でした。A・B・Cはそれぞれ酸性・中性・アルカリ性のどれですか。

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答え:Aは酸性、Bはアルカリ性、Cは中性です

考え方:BTB溶液は、酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色になります。フェノールフタレイン溶液は、アルカリ性で赤色になり、酸性と中性では無色です。

解き方:AはBTB溶液が黄色なので酸性です。BはBTB溶液が青色で、フェノールフタレイン溶液も赤色なのでアルカリ性です。CはBTB溶液が緑色なので中性です。

よくあるミス:① フェノールフタレイン溶液が無色なら中性と決めてしまうミス。フェノールフタレイン溶液は酸性でも中性でも無色なので、無色だけでは区別できません。② リトマス紙の色の変化と混同するミス。酸性は青色リトマス紙を赤に、アルカリ性は赤色リトマス紙を青に変えます。

確かめ:Aは2つの指示薬の結果がどちらも酸性と矛盾せず、Bはどちらもアルカリ性を示しています。指示薬を2つ使うと、判断の確かめになります。

問題2

うすい水酸化ナトリウム水溶液をしみこませた糸を、食塩水でしめらせた赤色リトマス紙の中央に置き、両はしに電圧を加えました。リトマス紙が青色に変わった部分は、陽極と陰極のどちらへ移動しますか。また、青色に変えたイオンの名前と化学式を答えなさい。

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答え:陽極へ移動します。青色に変えたのは水酸化物イオン(OH−)です

考え方:アルカリ性の性質を示すもとは、水溶液中の水酸化物イオンOH−です。酸性の性質を示すもとは水素イオンH+です。−の電気をもつイオンは、+極(陽極)へ引かれます。

解き方:水酸化ナトリウムは NaOH → Na+ + OH− と電離します。赤色リトマス紙を青色に変えるのは水酸化物イオンOH−で、−の電気をもつので陽極のほうへ移動します。

よくあるミス:① 青色に変えたのをナトリウムイオンだと考えるミス。ナトリウムイオンは食塩水にもふくまれていますが、食塩水ではリトマス紙の色は変わりません。② −のイオンが陰極へ移動すると考えるミス。電気は反対どうしが引き合うので、−のイオンは+極(陽極)へ向かいます。

確かめ:塩酸をしみこませた糸で同じ実験をすると、青色リトマス紙の赤くなった部分は陰極へ移動します。+の電気をもつ水素イオンが酸性のもとだ、という説明と対になっています。

問題3

ある濃さの塩酸10cm³に、ある濃さの水酸化ナトリウム水溶液を加えていくと、15cm³加えたところでちょうど中性になりました。同じ塩酸30cm³をちょうど中性にするには、この水酸化ナトリウム水溶液が何cm³必要ですか。また、同じ塩酸10cm³にこの水酸化ナトリウム水溶液を20cm³加えると、混ぜた液にBTB溶液を加えたときの色は何色になりますか。

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答え:45cm³必要です。20cm³加えたときは青色になります

考え方:同じ濃さどうしなら、ちょうど中性になるときの塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の体積の比は一定です。この問題では、塩酸:水酸化ナトリウム水溶液 = 10:15 = 2:3 です。

解き方:塩酸30cm³は10cm³の3倍なので、必要な水酸化ナトリウム水溶液も15cm³の3倍で45cm³です。塩酸10cm³に20cm³加えると、ちょうど中和する15cm³より5cm³多いので、水酸化ナトリウム水溶液があまり、液はアルカリ性になります。BTB溶液は青色です。

よくあるミス:① 比を逆にして、塩酸30cm³に20cm³とするミス。「塩酸が3倍なら、水酸化ナトリウム水溶液も3倍」と、同じ倍数をかけることを確かめましょう。② 中和が起きたらいつでも中性になると考えるミス。中和は少しでも混ぜると起こりますが、中性になるのは過不足なく反応したときだけです。

確かめ:塩酸30cm³と水酸化ナトリウム水溶液45cm³の比も2:3で、10cm³と15cm³の比と同じです。20cm³加えたときは5cm³があまるので、アルカリ性で青色という答えと合っています。

問題4

次の①・②の中和で、水のほかにできる塩(えん)の名前を答えなさい。また、②では液のようすにどのような変化が見られますか。
① 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液
② うすい硫酸と水酸化バリウム水溶液

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答え:①は塩化ナトリウム、②は硫酸バリウムです。②では白い沈殿ができます

考え方:中和では、酸の水素イオンとアルカリの水酸化物イオンが結びついて水ができます。残った酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついてできる物質を塩といいます。

解き方:①は HCl + NaOH → NaCl + H2O で、塩は塩化ナトリウムです。塩化ナトリウムは水にとけやすいので、液の中にとけたままです。②は H2SO4 + Ba(OH)2 → BaSO4 + 2H2O で、塩は硫酸バリウムです。硫酸バリウムは水にとけにくいので、白い沈殿になります。

よくあるミス:① 「塩」を食塩(塩化ナトリウム)だけのことだと思いこむミス。中和でできる塩は、組み合わせによってさまざまな物質になります。② ②の式で水の係数2を書き忘れるミス。水酸化バリウムには水酸化物イオンが2つあるので、水も2つできます。

確かめ:②の式で、左辺と右辺の原子の数を数えると、水素は4と4、酸素は6と6、硫黄とバリウムはどちらも1で、両辺が一致します。

問題5

塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加え、ちょうど中性になったあとも、さらに加え続けました。このとき、液の中の水素イオンの数と、液の中のイオンの総数は、それぞれどのように変化しますか。

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答え:水素イオンの数は、中性になるまで減り続けて0になり、そのあとは0のままです。イオンの総数は、中性になるまで変わらず、そのあとは増えていきます

考え方:加えた水酸化物イオンは、液の中の水素イオンと結びついて水になります。加えたナトリウムイオンは反応せずに液に残り、塩酸の塩化物イオンも反応せずに残ります。

解き方:水素イオンは、加えた水酸化物イオンと同じ数だけ減るので、中性になるまで減り続けて0になり、その後は増えません。イオンの総数は、水素イオンが1つ減るたびにナトリウムイオンが1つ増えるので、中性になるまでは変わりません。中性になったあとは、加えたナトリウムイオンと水酸化物イオンがどちらも残るので、総数は増えていきます。

よくあるミス:① 中和が進むとイオンの総数も減っていく、と考えるミス。水素イオンは減りますが、そのぶんナトリウムイオンが増えるので、中性までは総数は一定です。② 中性になったあとも水素イオンが増えると考えるミス。中性のあとに増えるのは、ナトリウムイオンと水酸化物イオンです。

確かめ:はじめの塩酸にふくまれる水素イオンと塩化物イオンの数を同じとして、加える量を少しずつ増やして数えると、中性までは総数が一定で、中性のあとは加えた水酸化物イオンとナトリウムイオンのぶんだけ増えることが確かめられます。

酸性・中性・アルカリ性のまとめ表

項目酸性中性アルカリ性
BTB溶液の色黄色緑色青色
フェノールフタレイン溶液無色無色赤色
リトマス紙青色リトマス紙が赤に変化しない赤色リトマス紙が青に
性質のもとになるイオン水素イオンどちらもない(または同じだけ反応した)水酸化物イオン
この記事の問題問題1(指示薬)・問題2(イオンの移動)・問題3〜5(中和)

迷ったときの手順

  1. 指示薬の問題は、BTB溶液の色を先に見て、酸性・中性・アルカリ性を決める
  2. 中和の計算は、ちょうど中性になる体積の比を書き出してから、同じ倍数をかける
  3. 加えた量が比より多いか少ないかで、あまったほうの性質(酸性かアルカリ性か)を決める
  4. イオンの数の問題は、反応して減るイオン、残るイオン、加えて増えるイオンに分けて考える

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よくある質問

BTB溶液の色はどう変わりますか?

酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色になります。フェノールフタレイン溶液はアルカリ性で赤色になり、酸性と中性では無色です。

中和すると必ず中性になりますか?

いいえ。中和は酸とアルカリを混ぜると少しでも起こりますが、中性になるのは過不足なく反応したときだけです。どちらかがあまると、あまったほうの性質が残ります。

中和でできる塩とは何ですか?

酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついてできる物質です。塩酸と水酸化ナトリウムでは塩化ナトリウム、硫酸と水酸化バリウムでは水にとけにくい硫酸バリウムができます。

問題はすべて当サイトのオリジナルです。計算の答えは検算済みです。「北辰テスト」は北辰図書株式会社の商標です。当サイトは北辰図書株式会社・埼玉県教育委員会・各高等学校とは関係のない非公式の学習支援サイトです。