式の計算(中2)の予想問題5問——方程式との混同と ÷ の範囲のミスを1問ずつ解説
式の計算は中2で習う単元で、連立方程式・一次関数や、入試の「文字式で説明する問題」の土台になります(回ごとの範囲は → テスト範囲)。分数の式・単項式のわり算・式の値・等式の変形・説明問題と、どれも「やり方を方程式と混同する」「÷ の範囲を取りちがえる」ところで点を落としやすい単元です。全国の中学生がつまずきやすいポイントを5問にしぼり、1問ずつ「なぜそのミスが起きるか」まで解説しました。
- 分数の式は通分して計算。方程式ではないので分母を消さない
- ÷ のすぐ後ろだけが分母、× の後ろは分子
- 式の値は、式を簡単にしてから代入。負の数はかっこをつける
- 等式の変形は「〜 = 」の形を目指して、両辺に同じ操作
- 説明問題は「9 × 整数」の形にして、結論の1文まで書く
問題(まず自分で解いてみよう)
- (3x − 2y)/4 − (x − 5y)/6 を計算しなさい。
- 6a²b ÷ (−3ab²) × 2b を計算しなさい。
- x = −2、y = 3 のとき、3(x − 2y) − (4x − 5y) の値を求めなさい。
- 台形の面積を求める公式 S = (a + b)h/2 を、b について解きなさい。
- 2けたの自然数と、その数の十の位の数字と一の位の数字を入れかえた数の差は、9の倍数になります。このことを、十の位の数字を a、一の位の数字を b として説明しなさい。
目安:問題1〜3は1問2分、問題4・5は1問3分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
(3x − 2y)/4 − (x − 5y)/6 を計算しなさい。
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答え:(7x + 4y)/12
考え方:分母を 4 と 6 の最小公倍数の 12 にそろえて(通分して)から、分子どうしを計算します。方程式ではないので、12 をかけて分母を消してはいけません。
解き方:{3(3x − 2y) − 2(x − 5y)}/12 = (9x − 6y − 2x + 10y)/12 = (7x + 4y)/12。
よくあるミス:① ひく式の分子にかっこをつけず、−2x − 10y としてしまうミス。−2 × (−5y) = +10y です。② 方程式と同じように両辺に 12 をかけて 7x + 4y と答えてしまうミス。これは「式の計算」なので、=0 のような等式がありません。分母を残したまま答えます。
確かめ:x = 1, y = 1 を入れると、もとの式は 1/4 − (−4)/6 = 1/4 + 2/3 = 11/12、答えの式は 11/12 で同じです。
問題2
6a²b ÷ (−3ab²) × 2b を計算しなさい。
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答え:−4a
考え方:かけ算とわり算が混ざった単項式の計算は、わる式を分母に、かける式を分子において、1つの分数にまとめてから約分します。
解き方:(6a²b × 2b) / (−3ab²) = 12a²b² / (−3ab²) = −4a。
よくあるミス:「× 2b」まで分母に入れてしまい、6a²b ÷ (−3ab² × 2b) = −a/b² としてしまうミスです。わり算の記号 ÷ がかかるのは、すぐ後ろの (−3ab²) だけです。÷ のすぐ後ろだけが分母、× の後ろは分子と、記号ごとに分けて考えましょう。
確かめ:符号は、マイナスが1つ(−3ab²)だけなので答えはマイナス。文字は a² × b × b ÷ (a × b²) = a で、−4a と合います。
問題3
x = −2、y = 3 のとき、3(x − 2y) − (4x − 5y) の値を求めなさい。
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答え:−1
考え方:式の値は、先に式を簡単にしてから数を代入すると、計算が少なくなりミスが減ります。
解き方:3(x − 2y) − (4x − 5y) = 3x − 6y − 4x + 5y = −x − y。ここに x = −2、y = 3 を代入すると −(−2) − 3 = 2 − 3 = −1。
よくあるミス:① 代入してから計算しようとして、3(−2 − 6) − (−8 − 15) のように符号を取りちがえるミス。② −(4x − 5y) を −4x − 5y としてしまうミス。かっこの前のマイナスは、かっこの中のすべての項の符号を変えます。③ 負の数を代入するときにかっこをつけず、−x を −−2 のように書いて混乱するミス。負の数はかっこをつけて代入しましょう。
確かめ:もとの式に直接代入すると、3(−2 − 6) − (−8 − 15) = −24 + 23 = −1 で同じになります。
問題4
台形の面積を求める公式 S = (a + b)h/2 を、b について解きなさい。
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答え:b = 2S/h − a
考え方:「b について解く」とは、b = 〜 の形に変形することです。方程式を解くときと同じように、両辺に同じ数をかけたり、移項したりします。
解き方:両辺に 2 をかけて 2S = (a + b)h。両辺を h でわって 2S/h = a + b。a を移項して b = 2S/h − a。
よくあるミス:① 両辺に 2 をかけるとき、左辺の S にかけ忘れるミス。② 2S/h − a を (2S − a)/h と書いてしまうミス。a は h でわられていないので、分数の外に出したままにします。(2S − ah)/h と通分して書くのは正しい答えです。
確かめ:a = 3、b = 5、h = 4 なら S = (3 + 5) × 4 / 2 = 16。答えの式に入れると 2 × 16 / 4 − 3 = 8 − 3 = 5 で、b に戻ります。
問題5
2けたの自然数と、その数の十の位の数字と一の位の数字を入れかえた数の差は、9の倍数になります。このことを、十の位の数字を a、一の位の数字を b として説明しなさい。
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答え:もとの数は 10a + b、入れかえた数は 10b + a と表される。差は (10a + b) − (10b + a) = 9a − 9b = 9(a − b)。a − b は整数なので、9(a − b) は9の倍数である。
考え方:2けたの数は「十の位 × 10 + 一の位」と表します。説明の問題は、文字で表す → 計算する → 「9 × 整数」の形にする → 結論の順で書きます。
解き方:もとの数は 10a + b、入れかえた数は 10b + a。差は (10a + b) − (10b + a) = 9a − 9b = 9(a − b)。a − b は整数だから、9(a − b) は9の倍数です。
よくあるミス:① 2けたの数を「ab」と書いてしまうミス。ab は a × b の意味になります。十の位は10倍して 10a + b と表します。② 9(a − b) まで出して終わり、「a − b は整数なので」という理由と「9の倍数である」という結論を書き忘れるミス。説明問題では最後の1文まで書いて得点になります。
確かめ:72 と 27 なら 72 − 27 = 45 = 9 × 5(a − b = 7 − 2 = 5)。数を入れて式と合うかを確かめると安心です。
式の計算の要点の表
| 問題の形 | やること | この記事の問題 |
|---|---|---|
| 分数をふくむ多項式 | 通分して分子を計算(分母は残す) | 問題1 |
| 単項式の乗除 | 1つの分数にまとめて約分(符号を先に決める) | 問題2 |
| 式の値 | 式を簡単にしてから代入 | 問題3 |
| 等式の変形 | 求める文字 = 〜 の形にする | 問題4 |
| 文字式による説明 | 文字で表す → 計算 → 〇 × 整数 → 結論 | 問題5 |
迷ったときの手順
- 「式の計算」か「方程式(= がある)」かを最初に見分ける
- かっこをはずすときは、かっこの前の数と符号をすべての項にかける
- ÷ と × が混ざったら、分母と分子に分けて1つの分数にする
- 答えが出たら、簡単な数を代入して、もとの式と同じ値になるか確かめる
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よくある質問
分数をふくむ式の計算で、分母を消してもいいですか?
いいえ。分母を消せるのは、両辺に同じ数をかけられる方程式のときだけです。式の計算では通分して、分母を残したまま答えます。
単項式のかけ算とわり算が混ざったときはどうしますか?
÷ のすぐ後ろの式を分母に、× の後ろの式を分子において1つの分数にまとめ、約分します。符号はマイナスの数で先に決めておくと安全です。
文字式を使った説明問題では何を書けばいいですか?
数を文字で表す式、計算の過程、「9 × 整数」のような形への変形、そして「〇の倍数である」という結論まで書きます。
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