細胞と生物のからだの予想問題5問——消化・吸収・血液の用語のミスを1問ずつ解説
細胞と生物のからだは中2で習う理科の単元で、植物と動物の細胞のつくり、だ液のはたらきと消化、養分の吸収、血液の成分と心臓のはたらきが問われます(回ごとの範囲は → テスト範囲)。用語が多く、似た名前(細胞膜と細胞壁、毛細血管とリンパ管など)を取りちがえて点を落としやすい単元です。細胞のつくり・だ液の実験・養分の吸収・血液の成分・心臓の拍動の計算の5問にしぼり、1問ずつ解説しました。計算の答えは検算済みです。
- 核と細胞膜は共通。細胞壁・葉緑体・発達した液胞は植物の細胞だけ
- ヨウ素液の青紫色はデンプンが残っているしるし。だ液はデンプンを分解する
- ブドウ糖とアミノ酸は毛細血管、脂肪はリンパ管に入る
- 酸素を運ぶのは赤血球(ヘモグロビン)。血しょうは物質をとかして運ぶ
- 心臓の計算は「必要な拍動の回数」→「その回数にかかる時間」の順に求める
問題(まず自分で解いてみよう)
- 植物の細胞だけに見られ、動物の細胞には見られないつくりを、次のア〜オからすべて選びなさい。
ア 核 イ 細胞膜 ウ 細胞壁 エ 葉緑体 オ (大きく発達した)液胞 - 試験管Aにはデンプン溶液とだ液を、試験管Bにはデンプン溶液と水を入れ、どちらも約40℃の湯で10分間あたためました。そのあとヨウ素液を加えたとき、青紫色に変化するのはどちらですか。また、この実験からわかることを答えなさい。
- 消化された養分は、小腸の内側にある柔毛から吸収されます。ブドウ糖とアミノ酸は柔毛の何に入りますか。また、脂肪酸とモノグリセリドは、柔毛に吸収されたあと再び脂肪になって何に入りますか。
- 血液の成分のうち、酸素を運ぶはたらきをもつものの名前と、そのはたらきに関係する物質の名前を答えなさい。
- ある人の心臓は1分間に75回拍動し、1回の拍動で70mLの血液を送り出すとします。この心臓が4200mLの血液を送り出すのにかかる時間は何秒ですか。
目安:1問1〜2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
植物の細胞だけに見られ、動物の細胞には見られないつくりを、次のア〜オからすべて選びなさい。
ア 核 イ 細胞膜 ウ 細胞壁 エ 葉緑体 オ (大きく発達した)液胞
答えと解説を見る
答え:ウとエとオです
考え方:植物と動物の細胞に共通するのは核と細胞膜です。植物の細胞には、からだを支える細胞壁、光合成を行う葉緑体、成長した細胞で大きく発達する液胞があります。
解き方:核と細胞膜は共通なので、アとイは除きます。植物の細胞だけに見られるのは、細胞壁・葉緑体・発達した液胞で、答えはウとエとオです。
よくあるミス:① 細胞膜と細胞壁を取りちがえるミス。細胞膜はすべての細胞にあるうすい膜、細胞壁はその外側にある植物だけの厚くじょうぶなしきりです。② 植物の細胞ならどれでも葉緑体があると思うミス。根の細胞など、光の当たらない部分の細胞には葉緑体がないこともあります。
確かめ:タマネギの表皮やヒトのほおの内側の細胞を酢酸オルセイン液で染めると、どちらも核が赤く染まります。タマネギの細胞だけ、外側に角ばった細胞壁が見えます。
問題2
試験管Aにはデンプン溶液とだ液を、試験管Bにはデンプン溶液と水を入れ、どちらも約40℃の湯で10分間あたためました。そのあとヨウ素液を加えたとき、青紫色に変化するのはどちらですか。また、この実験からわかることを答えなさい。
答えと解説を見る
答え:青紫色に変化するのは試験管Bです。だ液のはたらきでデンプンが別の物質に変化したことがわかります
考え方:ヨウ素液はデンプンがあると青紫色になります。だ液にふくまれる消化酵素(アミラーゼ)は、デンプンを麦芽糖などに分解します。水だけの試験管は、だ液のはたらきを比べるための対照実験です。
解き方:試験管Aはだ液でデンプンが分解されたので、ヨウ素液は変化しません。試験管Bは水だけなのでデンプンが残り、Bが青紫色になります。比べると、だ液がデンプンを別の物質に変えたことがわかります。
よくあるミス:① だ液を入れたAのほうが青紫色になると逆に考えるミス。青紫色は「デンプンが残っている」しるしです。② 40℃であたためる理由を答えられないミス。体温に近い温度で、消化酵素がよくはたらくようにするためです。
確かめ:分解されてできた糖は、ベネジクト液を加えて加熱すると赤褐色の沈殿ができることで確かめられます。Aでは沈殿ができ、Bではできないので、だ液のはたらきが裏づけられます。
問題3
消化された養分は、小腸の内側にある柔毛から吸収されます。ブドウ糖とアミノ酸は柔毛の何に入りますか。また、脂肪酸とモノグリセリドは、柔毛に吸収されたあと再び脂肪になって何に入りますか。
答えと解説を見る
答え:ブドウ糖とアミノ酸は毛細血管に入り、脂肪はリンパ管に入ります
考え方:デンプンはブドウ糖に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解されて、小腸の柔毛から吸収されます。柔毛の中には毛細血管とリンパ管が通っています。
解き方:ブドウ糖とアミノ酸は毛細血管に入り、肝臓を通って全身へ運ばれます。脂肪酸とモノグリセリドは柔毛で再び脂肪になり、リンパ管に入ります。
よくあるミス:① 脂肪も毛細血管に入ると考えるミス。脂肪だけはリンパ管に入ると、分けて覚えましょう。② 柔毛があることの意味を説明できないミス。柔毛があると小腸の内側の表面積が大きくなり、養分を効率よく吸収できます。
確かめ:消化される物質と、分解後の物質、吸収される管を表にすると、毛細血管に入るのはブドウ糖とアミノ酸の2つ、リンパ管に入るのは脂肪だけになり、答えと一致します。
問題4
血液の成分のうち、酸素を運ぶはたらきをもつものの名前と、そのはたらきに関係する物質の名前を答えなさい。
答えと解説を見る
答え:赤血球で、ヘモグロビンという物質が酸素を運ぶはたらきに関係しています
考え方:血液の成分には、赤血球・白血球・血小板・血しょうがあります。赤血球にはヘモグロビンという赤い物質がふくまれ、酸素の多いところでは酸素と結びつき、少ないところでは酸素をはなす性質があります。
解き方:酸素を運ぶのは赤血球で、そのはたらきに関係する物質はヘモグロビンです。
よくあるミス:① 血しょうと赤血球のはたらきを取りちがえるミス。血しょうは養分や二酸化炭素、不要な物質をとかして運ぶ液体です。② 白血球と血小板を逆にするミス。白血球は細菌などを分解し、血小板は出血したときに血液を固めます。
確かめ:肺のように酸素が多いところでは、ヘモグロビンは酸素と結びつき、全身の細胞のように酸素が少ないところでは酸素をはなします。この性質で、肺から全身へ酸素が運ばれることが説明できます。
問題5
ある人の心臓は1分間に75回拍動し、1回の拍動で70mLの血液を送り出すとします。この心臓が4200mLの血液を送り出すのにかかる時間は何秒ですか。
答えと解説を見る
答え:48秒です
考え方:まず4200mLを送り出すのに何回の拍動が必要かを求め、その回数の拍動にかかる時間を、1分間(60秒)に75回という割合から求めます。
解き方:4200mLを1回分の70mLでわると、必要な拍動は60回です。1分間(60秒)に75回拍動するので、60回の拍動にかかる時間は、60秒の75分の60倍で48秒です。
よくあるミス:① 必要な拍動の回数(60回)をそのまま「60秒」と答えるミス。拍動は1秒に1回ではないので、時間に直す計算が必要です。② 1分間に送り出す量(70mLの75倍で5250mL)を出したあと、4200mLとの比べ方を逆にするミス。4200mLは5250mLより少ないので、答えは1分(60秒)より短くなるはずです。
確かめ:1分間に送り出す血液は5250mLです。4200mLは5250mLの5分の4なので、時間も60秒の5分の4で48秒となり、答えと一致します。
消化と吸収のまとめ表
| 養分 | おもな消化酵素 | 分解されてできる物質 | 吸収されて入るところ |
|---|---|---|---|
| デンプン | アミラーゼ(だ液・すい液)など | ブドウ糖 | 毛細血管 |
| タンパク質 | ペプシン(胃液)・トリプシン(すい液)など | アミノ酸 | 毛細血管 |
| 脂肪 | リパーゼ(すい液)など(胆汁が分解を助ける) | 脂肪酸とモノグリセリド | 柔毛で再び脂肪になりリンパ管 |
迷ったときの手順
- 細胞の問題は、まず「共通のもの(核・細胞膜)」を除いてから植物だけのものを選ぶ
- だ液の実験は、どの試験管が対照実験かを確かめ、ヨウ素液とベネジクト液の色の意味を書き出す
- 消化と吸収は、養分→分解後の物質→入る管(毛細血管かリンパ管か)の順に整理する
- 心臓の計算は、量→拍動の回数→時間と、単位をそろえながら1段階ずつ進める
埼玉の高校受験の全体の流れ(北辰テスト・確約・公立入試の日程)→ 埼玉の高校受験ガイド【2027年度入試】
あわせて読みたい
- ほかの単元の予想問題(5問・解説つき) → 単元別予想問題の一覧
- 中3の生物 → 生殖と遺伝の予想問題
- 中1の生物 → 動物の分類の予想問題
- 回ごとの出題範囲 → 北辰テストのテスト範囲
- 5教科の予想問題(PDF) → 北辰テスト 予想問題
- 理科全体の勉強法 → 北辰テスト理科の勉強法
よくある質問
植物の細胞だけにあるつくりは何ですか?
細胞壁、葉緑体、大きく発達した液胞です。核と細胞膜は、植物と動物の細胞に共通するつくりです。
消化された養分はどこから吸収されますか?
小腸の柔毛から吸収されます。ブドウ糖とアミノ酸は毛細血管に入り、脂肪酸とモノグリセリドは柔毛で再び脂肪になってリンパ管に入ります。
赤血球はどのようにして酸素を運びますか?
赤血球にふくまれるヘモグロビンが、酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素をはなすことで、肺から全身へ酸素を運びます。
問題はすべて当サイトのオリジナルです。計算の答えは検算済みです。「北辰テスト」は北辰図書株式会社の商標です。当サイトは北辰図書株式会社・埼玉県教育委員会・各高等学校とは関係のない非公式の学習支援サイトです。
