生殖と遺伝の予想問題5問——染色体の数・比・遺伝子の組み合わせのミスを1問ずつ解説
生殖と遺伝は、北辰テストでは第5回(10/11)で初めて出題範囲に入る単元です(当サイトが2023〜2026年度の出題構成を集計した結果。→ テスト範囲)。用語の暗記だけでなく「染色体の数」「比」「遺伝子の組み合わせ」をきちんと区別できるかで差がつきます。全国の中学生がつまずきやすいポイントを5問にしぼり、1問ずつ「なぜそのミスが起きるか」まで解説しました。
- 染色体の数が半分になるのは減数分裂だけ(体細胞分裂は同じ数)
- 受精があれば有性生殖。いも・さし木・分裂は無性生殖
- Aa × Aa の孫は AA:Aa:aa = 1:2:1、形質は 3:1
- 「丸い種子のうち」など、比や割合の分母を確かめる
- しわ(aa)が出たら、両親ともに a をもっている
問題(まず自分で解いてみよう)
- ある植物の体細胞の染色体の数は24本です。この植物の卵細胞と、受精してできた受精卵の染色体の数は、それぞれ何本ですか。
- 次のア〜エのうち、無性生殖によって新しい個体ができているものをすべて選びなさい。
ア ジャガイモのいもを植えると、芽が出て新しい株ができる。
イ エンドウの花で、花粉が柱頭につき、種子ができる。
ウ ゾウリムシのからだが2つに分かれて、2個体になる。
エ カエルの卵と精子が受精し、おたまじゃくしになる。 - エンドウの種子の形には「丸」と「しわ」があり、丸が顕性形質です。純系の丸の種子(AA)と純系のしわの種子(aa)をかけ合わせてできた子(すべて丸)を自家受粉させたところ、孫の代で丸い種子が600個できました。しわの種子はおよそ何個できたと考えられますか。
- 問題3の孫の代の丸い種子のうち、遺伝子の組み合わせが Aa のものは、およそ何分のいくつですか。
- 遺伝子の組み合わせがわからない丸い種子Xがあります。Xから育てたエンドウと、しわの種子(aa)から育てたエンドウをかけ合わせたところ、できた種子は 丸:しわ がおよそ 1:1 になりました。Xの遺伝子の組み合わせを答えなさい。
目安:問題1・2は1問1分、問題3〜5は1問2分。解き終わったら、下の「答えと解説を見る」を開いて確かめましょう。
答えと解説
問題1
ある植物の体細胞の染色体の数は24本です。この植物の卵細胞と、受精してできた受精卵の染色体の数は、それぞれ何本ですか。
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答え:卵細胞 12本、受精卵 24本
考え方:卵細胞や精細胞(生殖細胞)は、減数分裂でつくられます。減数分裂では染色体の数がもとの細胞の半分になります。受精では、半分ずつの染色体をもつ卵細胞と精細胞が合体します。
解き方:卵細胞は 24 ÷ 2 = 12本。受精卵は 卵細胞12本 + 精細胞12本 = 24本(体細胞と同じ数にもどる)。
よくあるミス:① 受精卵を「24 + 24 = 48本」としてしまうミス。合体するのは体細胞どうしではなく、半分の数になった生殖細胞どうしです。② 体細胞分裂でも数が半分になると思いこむミス。体細胞分裂では、分裂の前に染色体が複製されて2本ずつになるので、分かれたあとの細胞の染色体の数はもとと同じです。半分になるのは減数分裂だけ、と分けて覚えましょう。
確かめ:減数分裂で半分 → 受精でもとにもどる、という流れなので、親・子・孫と代を重ねても染色体の数は変わりません。
問題2
次のア〜エのうち、無性生殖によって新しい個体ができているものをすべて選びなさい。
ア ジャガイモのいもを植えると、芽が出て新しい株ができる。
イ エンドウの花で、花粉が柱頭につき、種子ができる。
ウ ゾウリムシのからだが2つに分かれて、2個体になる。
エ カエルの卵と精子が受精し、おたまじゃくしになる。
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答え:ア、ウ
考え方:受精(生殖細胞の合体)があれば有性生殖、なければ無性生殖です。
解き方:ア はいも(からだの一部)から新しい個体ができる栄養生殖で、無性生殖です。ウ は単細胞生物が分裂してふえる無性生殖です。イ は受粉・受精で種子ができるので有性生殖、エ も受精があるので有性生殖です。答えはア、ウ。
よくあるミス:「植物の生殖=無性生殖」と思いこんで イ を選んでしまうミスです。植物でも、花が咲いて種子ができるのは受精をともなう有性生殖です。無性生殖になるのは、いも・さし木・球根などのようにからだの一部からふえる場合です。
あわせて覚える:無性生殖でできた子は、親と同じ遺伝子を受けつぐので、親と同じ形質になります。有性生殖では両親から半分ずつ遺伝子を受けつぐので、子の形質は親と同じになるとは限りません。
問題3
エンドウの種子の形には「丸」と「しわ」があり、丸が顕性形質です。純系の丸の種子(AA)と純系のしわの種子(aa)をかけ合わせてできた子(すべて丸)を自家受粉させたところ、孫の代で丸い種子が600個できました。しわの種子はおよそ何個できたと考えられますか。
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答え:およそ200個
考え方:子の遺伝子の組み合わせはすべて Aa です。Aa どうしをかけ合わせると、孫は AA:Aa:aa = 1:2:1 になり、形質では 丸:しわ = 3:1 になります。
解き方:丸:しわ = 3:1 なので、しわ = 600 × 1/3 = 200個。
よくあるミス:600個を「孫全体の数」と読みちがえて、600 × 1/4 = 150個 とするミスです。問題文の600個は丸い種子だけの数です。比の問題は「どれとどれの比か」を最初に確かめましょう。
確かめ:丸600個・しわ200個なら、600:200 = 3:1 で、比が合っています。
問題4
問題3の孫の代の丸い種子のうち、遺伝子の組み合わせが Aa のものは、およそ何分のいくつですか。
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答え:およそ 3分の2
考え方:孫の遺伝子の組み合わせは AA:Aa:aa = 1:2:1 です。このうち「丸い種子」は AA と Aa です。
解き方:丸は AA(1)+ Aa(2)= 3 の割合で、そのうち Aa は 2 なので、2/3。
よくあるミス:① 孫全体(4)を分母にして「2/4 = 1/2」とするミス。聞かれているのは丸い種子のうちの割合なので、分母は丸の 3 です。② 「丸い種子なら全部 AA」と思いこむミス。顕性の形質が出ていても、遺伝子は AA の場合と Aa の場合があります。見た目(形質)と遺伝子の組み合わせは、分けて考えましょう。
確かめ:問題3の数で考えると、丸600個のうち Aa はおよそ 400個、AA はおよそ 200個になります。
問題5
遺伝子の組み合わせがわからない丸い種子Xがあります。Xから育てたエンドウと、しわの種子(aa)から育てたエンドウをかけ合わせたところ、できた種子は 丸:しわ がおよそ 1:1 になりました。Xの遺伝子の組み合わせを答えなさい。
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答え:Aa
考え方:しわ(aa)がつくる生殖細胞はすべて a です。X が AA か Aa かで、子の結果がどう変わるかを両方調べます。
解き方:X が AA なら、子はすべて Aa で全部丸になります。X が Aa なら、子は Aa:aa = 1:1 で、丸:しわ = 1:1 になります。結果は 1:1 なので、X は Aa。
よくあるミス:しわの種子が出てきた理由を説明できず、当てずっぽうで答えてしまうミスです。しわ(aa)が生まれるには、両方の親から a を1つずつ受けつぐ必要があります。だから「子にしわが出た → X も a をもっている」と考えれば、AA ではないことがすぐわかります。
確かめ:X(Aa)の生殖細胞は A と a が半分ずつ、相手(aa)は a だけなので、子は Aa と aa が半分ずつになります。
体細胞分裂と減数分裂のちがい
| 体細胞分裂 | 減数分裂 | |
|---|---|---|
| どこで起きるか | からだの細胞がふえるとき(根の先など) | 生殖細胞(卵・精子、卵細胞・精細胞)をつくるとき |
| 分裂後の染色体の数 | もとの細胞と同じ | もとの細胞の半分 |
| この記事の問題 | 問題1の解説 | 問題1 |
遺伝の計算で迷ったときの手順
- 親の遺伝子の組み合わせ(AA・Aa・aa)を書く
- それぞれの親がつくる生殖細胞(A か a)を書き出す
- 表(かけ合わせの表)をかいて、子の組み合わせを4マスで出す
- 聞かれているのが「形質(丸・しわ)」か「遺伝子の組み合わせ」かを確かめ、分母に注意して比や割合を答える
なお、教科書では以前「優性・劣性」とよばれていた言葉が、いまは「顕性・潜性」になっています。どちらが出ても同じ意味だと知っておきましょう。
埼玉の高校受験の全体の流れ(北辰テスト・確約・公立入試の日程)→ 埼玉の高校受験ガイド【2027年度入試】
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- 第5回で増える単元の一覧 → 北辰テストのテスト範囲
- 5教科の予想問題(PDF) → 北辰テスト 予想問題
よくある質問
生殖と遺伝は北辰テストの何回目から出題されますか?
当サイトが2023〜2026年度の北辰テスト(中3)の出題構成を集計した範囲では、第5回で初めて出題されています。正式な出題範囲は北辰図書の案内で確認してください。
体細胞分裂と減数分裂のちがいは何ですか?
体細胞分裂では分裂後の細胞の染色体の数がもとと同じですが、生殖細胞をつくる減数分裂では半分になります。受精で半分ずつが合体し、もとの数にもどります。
Aa どうしをかけ合わせると、子の比はどうなりますか?
遺伝子の組み合わせは AA:Aa:aa = 1:2:1、形質は顕性:潜性 = 3:1 になります。顕性の形質の個体のうち Aa は 3分の2 です。
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