中学理科の勉強法 よくある質問90——暗記分野と計算分野を分けて攻める
理科は「秋からでも間に合う」教科の代表です。ただし全分野を同じやり方で攻めると効率が悪くなります。暗記で取れる分野と、計算が必要な分野を分けて、取れるところから確実に取る——これが理科で偏差値を上げる基本方針です。
| 分野 | 主な単元 | 性格 |
|---|---|---|
| 生物 | 植物・動物・人体・遺伝 | 暗記中心——短期間で伸びる |
| 地学 | 地層・火山・天気・天体 | 暗記中心——一部計算あり |
| 化学 | 物質・化学変化・イオン | 暗記+計算 |
| 物理 | 光・音・力・電流・運動 | 計算中心——理解が必要 |
1. 何から始めるか
理科はいつから本格的に始めますか?
中3の秋からでも十分間に合います。範囲が明確で、暗記と演習の反復で得点が上がりやすい教科です。
何から手をつけますか?
暗記で対応できる分野(生物・地学)から。自信がついてから計算分野(物理・化学)に進むのが効率的です。
中1・中2の内容も出ますか?
出ます。入試は3年間の全範囲が対象です。中1・中2の内容が半分以上を占めるため、復習は必須です。
どの分野が一番出ますか?
4分野からバランスよく出題されるのが一般的です。特定の分野を捨てると確実に失点します。
苦手分野から始めるべきですか?
理科の場合は逆です。得意な暗記分野で確実に取れる状態を作ってから、苦手な計算分野に取り組むほうが、心理的にも得点的にも効率的です。
1週間でどれくらい進めますか?
1週間で1分野が目安です。全分野を薄く広げるより、完了した分野から確実にしていってください。
理科と社会、どちらを優先しますか?
どちらも秋以降に伸びやすい教科です。模試の偏差値が低いほうから。志望校の配点(理数科なら理科優先)でも判断してください。
2. 生物
生物は暗記だけで大丈夫ですか?
ほぼ暗記で対応できます。用語・図・分類を確実にすれば得点源になります。
植物の分類が覚えられません
表にして整理してください。種子植物→被子植物・裸子植物、被子植物→単子葉類・双子葉類——この階層構造を図で押さえます。
人体の単元が多すぎます
消化・呼吸・血液循環・排出・感覚・神経に分けてください。それぞれの器官の名前と働きをセットで覚えます。図を見て名前が言えるかを確認してください。
遺伝が分かりません
まず用語(顕性・潜性・分離の法則)を押さえ、次に表を使って組み合わせを数える練習をしてください。計算は掛け算だけです。
細胞分裂の順番が覚えられません
図を並べ替える問題が頻出です。染色体の動きを軸に、各段階の図を自分で描いてください。
動物の分類は?
脊椎動物5種(魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類)の呼吸・体温・生まれ方を表で整理してください。
光合成と呼吸が混ざります
光合成は「二酸化炭素+水→デンプン+酸素」、呼吸は逆。光合成は昼だけ、呼吸は常に——ここを押さえれば実験問題も解けます。
3. 地学
地学は暗記で対応できますか?
大部分は暗記です。ただし天体(南中高度・日周運動)と天気(湿度)は計算があります。
地層の問題が苦手です
「下が古い、上が新しい」が基本。柱状図の対比は、同じ層(鍵層)を見つけて高さを合わせる練習をしてください。
火山と岩石が覚えられません
火成岩は火山岩3種と深成岩3種を色(白→黒)の順で表にしてください。マグマの粘り気と火山の形もセットで覚えます。
天気図が読めません
高気圧・低気圧・前線の記号を覚え、前線の通過前後で天気がどう変わるかを押さえてください。温暖前線と寒冷前線の違いが頻出です。
湿度の計算が分かりません
「湿度=実際の水蒸気量÷飽和水蒸気量×100」。表から飽和水蒸気量を読み取る練習をしてください。露点の意味もセットで。
天体が全く分かりません
地球の自転(1日)と公転(1年)を分けてください。日周運動は自転、年周運動は公転。まず自転だけで解ける問題から始めます。
月の満ち欠けが理解できません
太陽・地球・月の位置関係を上から見た図で描いてください。地球から見える光っている部分が月の形です。図を描けば解けます。
地震の計算は?
P波とS波の速さの違いから初期微動継続時間を求める問題が典型です。「距離=速さ×時間」を使うだけです。
4. 化学
化学は暗記ですか計算ですか?
両方です。物質の性質・化学式・化学反応式は暗記、質量の関係は計算。暗記部分から固めてください。
化学式が覚えられません
頻出は20個程度です。元素記号→化学式→化学反応式の順に、声に出して書いて覚えてください。
化学反応式が書けません
まず日本語で「何と何が反応して何ができるか」を書いてください。次に化学式に直し、左右の原子の数を合わせる作業をします。
質量の計算が分かりません
化学変化では質量の比が一定です。銅と酸素なら4:1、マグネシウムと酸素なら3:2。この比を使った比例計算だけです。
イオンが分かりません
原子が電子を失うと+、受け取ると-。陽イオン・陰イオンの代表例を覚え、電気分解や中和の問題に進んでください。
中和の計算が苦手です
酸とアルカリが打ち消し合って水と塩ができる、という理解が先です。イオンの数の増減をグラフで追う練習をしてください。
気体の性質が覚えられません
酸素・二酸化炭素・水素・アンモニアの発生方法・集め方・性質を表で整理してください。この4つが頻出です。
状態変化と化学変化の違いは?
状態変化は物質そのものは変わらない(水→氷)、化学変化は別の物質になる(鉄→酸化鉄)。この区別を最初に押さえてください。
5. 物理
物理が全く分かりません
物理は理解が必要な分野です。暗記で乗り切ろうとせず、教科書の説明を読んで「なぜそうなるか」を追ってください。
電流の計算が苦手です
オームの法則「電圧=電流×抵抗」が土台です。直列と並列で何が等しいか(直列は電流、並列は電圧)を押さえてください。
回路図が読めません
直列は一本道、並列は分かれ道。電流の流れる道筋を指でなぞってください。慣れれば見た瞬間に分かります。
力の問題が分かりません
力は矢印で表します。力のつり合い・作用反作用を図で描く練習をしてください。まず「何に、どの向きに、どれくらい」の3点を整理します。
圧力の計算が苦手です
「圧力=力÷面積」。単位(N/m²=Pa)を意識してください。面積の単位変換(cm²→m²)でミスが起きやすいので注意を。
光の反射・屈折が分かりません
反射は「入射角=反射角」、屈折は「空気→水で折れ曲がる方向」を図で覚えてください。凸レンズの作図は3本の光線の描き方を暗記します。
運動とエネルギーが難しいです
まず速さの計算を確実に。次に位置エネルギーと運動エネルギーの和が一定(力学的エネルギー保存)という考え方を押さえます。
電力・電力量の違いは?
電力(W)=電圧×電流、電力量(J)=電力×時間。時間をかけるかどうかの違いです。単位で区別してください。
6. 計算問題
理科の計算問題が苦手です
公式の丸暗記ではなく、何を求めているかを整理する練習をしてください。単位を意識すると式が見えてきます。
頻出の計算は何ですか?
オームの法則、電力、密度、圧力、湿度、速さ、化学変化の質量比、濃度。この8種類を確実にしてください。
単位の変換でミスします
問題文の単位と答えの単位を確認する癖をつけてください。cm→m、g→kg、mA→Aが典型的なミスです。
グラフの読み取りが苦手です
縦軸・横軸が何かを最初に確認してください。比例か反比例か、原点を通るか——この3点を見れば式が立ちます。
7. 実験・観察問題
実験問題の解き方が分かりません
実験の目的・手順・結果・考察の流れを教科書で確認してください。頻出の実験は限られています。
見たことのない実験が出ました
問題文に手順と結果が書かれています。「なぜその操作をするのか」を考える癖があれば、初見でも対応できます。
器具の名前と使い方は覚えるべきですか?
はい。ガスバーナー、メスシリンダー、上皿てんびん、顕微鏡の操作手順は頻出です。
「〜のはなぜか」という記述が書けません
頻出のテーマは限られています。模範解答の型を覚えるところから始めてください。「〜ため」で終わる形が基本です。
対照実験とは何ですか?
条件を1つだけ変えて比較する実験です。「何を確かめるための対照か」を問う問題が頻出です。
図やグラフを描く問題は?
教科書に出てくる図(回路図・光の作図・月の位置など)を自分で描けるようにしてください。見て分かるだけでは足りません。
8. 入試での戦い方
理科が200点に傾斜される学校は?
大宮・所沢北・熊谷西・川口市立・松山の理数科です。理科は共通問題ですが配点が2倍になります。越谷北・市立大宮北の理数科は傾斜なしです。
理数科志望なら理科をどこまでやればよいですか?
理科が200点なら、理科の10点は他教科の20点に相当します。4分野すべてを確実にし、計算分野も落とさない水準が必要です。
大宮科学技術も理科が傾斜されますか?
はい。数学・理科を各150点に傾斜します。工業系では唯一の傾斜配点校です。
解く順番は?
得意な分野から。大問ごとに分野が分かれているので、暗記分野を先に処理し、計算分野は後に回す方法があります。
時間配分は?
過去問で各大問の所要時間を計ってください。計算問題で時間を使いすぎないよう、目安時間を決めておきます。
記述問題は捨ててよいですか?
おすすめしません。部分点がある場合が多いため、分かることだけでも書いてください。
9. 勉強のやり方
教科書と問題集、どちらを使いますか?
両方です。教科書で内容を確認→問題集で演習→間違えたら教科書に戻るのサイクルが基本です。
用語はどう覚えますか?
一問一答形式で、隠して思い出す練習が効率的です。図と一緒に覚えると定着します。
ノートまとめは必要ですか?
全単元をまとめる必要はありません。苦手な分野の表や図だけを自分で描いてください。
1日どれくらいやればよいですか?
1日1単元の確認と演習で構いません。毎日少しずつ触れることが定着につながります。
動画授業は効果がありますか?
物理の理解には有効です。ただし見るだけでは解けるようになりません。必ず問題を解いてください。
10. よくある不安
暗記が追いつきません
分野を絞ってください。1週間で1分野。全分野を薄く広げるより、完了した分野から確実にするほうが早く進みます。
物理を捨ててもよいですか?
おすすめしません。4分野からバランスよく出題されるため、1分野を捨てると確実に失点します。基本問題だけでも取ってください。
中1の内容を忘れています
誰でも忘れます。教科書を1章ずつ読み返すだけでも思い出せます。完全に初めてではないので、復習は速く進みます。
秋から間に合いますか?
間に合います。理科は暗記の比重が大きく、範囲も明確です。秋からの集中的な取り組みで総合偏差値が動く受験生は多くいます。
理科が嫌いです
全部を好きになる必要はありません。暗記分野で「取れる」実感を作るところから。得点が上がると印象が変わります。
4分野を1週間ずつ、暗記→演習→間違い直しの順で回してください。1か月後には、模試の理科の偏差値が動いているはずです。
関連するガイド
本ページは当サイトが一般的な学習指導の考え方をもとに整理したものです。学習の進め方には個人差があり、すべての生徒に当てはまるものではありません。具体的な学習計画については、学校の先生や塾の指導者にご相談ください。「北辰テスト」は北辰図書株式会社の商標です。当サイトは北辰図書株式会社とは関係のない学習支援サイトです。
